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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第10章 初月の夜も貴方と
「…達かせて差し上げたいけれど、まだです。
貴方は私のものを受け入れて、中で達くのです」
優しいけれど残酷な命令が鼓膜の奥に響いた。
「…い…や…いじわ…る…」
下肢に溜まる膿んだ快楽の澱に身体を震わせ、涙ぐむ。

「…本当に感じやすい身体だ…。私がいなければ、他の方にこの身体を弄らせるのですか…?」
双丘を卑猥な形に揉みしだかれ、暁は掠れた声で抗議する。
「…そんな…わけない…君じゃないと…こんなこと、させない…」
「本当に…?」
「…月城以外の男に触らせるくらいなら…僕は死ぬよ…」
振り返る暁の潤んだ瞳に月城への堪えきれぬ恋慕の色が見て取れた。
月城の中の暁への熱情と欲情が一気に弾け出す。
「…暁…!」
暁を腕の中に強く深く抱き込みながら、背後から唇を奪う。
「…んんっ…は…あ…っ…ん…」
暁の舌を荒々しく奪いながら、月城は己れの着物の前を慌ただしく解き、既に硬く兆している牡を取り出す。
猛り狂う牡を暁の双丘の狭間に擦り付ける。
「…ああっ…あつ…い…」
牡の熱く生々しい感触に暁はびくりと身体を震わせる。
先走りの牡液をヒクつく花環に擦り付ける。
「…貴方の中に入りたくて、もうこんなに風になっています…」
「…ん…っ…つきし…ろ…」
暁の腰も耐えきれぬように揺れ出す。
「…あんなに昨夜、貴方を求めたのに…」
…すみません…と、暁の耳朶を甘噛みしながら詫びる男に、暁は仕方なく…恥じらうように微笑む。
「…いいよ…僕も…君が欲しいから…でも…」
…着物は脱がせて…染みになるのが嫌だ…
と、かき口説く暁の言葉も聞かずに、月城は暁のまだ慎ましやかに閉じている後孔を牡の切っ先で押し開く。
「…んんっ…!」
「…着物姿で乱れる貴方が見たい…。このまま…犯しますよ…」
色香を含んだ男の低い声に、背筋に甘い戦慄が駆け上る。
「…ああ…っ…いや…」
先走りの牡液のため、挿入は容易だった。
また、昨夜から何度となく男に求められている暁の身体は、難なく男の熱く硬い牡を受け入れてしまう。

「…まだ、私の象を覚えて下さっていますね…」
優しい囁きに、暁の身体は弛緩してゆく。
「…んん…っ…つきしろ…」
「…私の象になったままだ…暁…」
しどけなく乱れた藤色の着物と滑りの良い綸子の長襦袢をたくし上げ、か細い腰を抱え上げた。
容赦なく昂ぶる牡を突き上げる。
暁の身体が小刻みに震える。

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