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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第1章 夏の華
「…いかがですか…?」
羞恥のあまり、すぐに引っ込めた手を優しく握りしめ、キスを落とす。
「…森の…熱い…すごく…大き…」
昂まりつつある快楽の為に、暁は大きく息を吐く。
低血圧の暁は、それでもまだ完全に目覚めてはいない。
薄い瞼は閉じられたままで弱々しく呼吸を繰り返し、しかし健気に男の言われるがままにか細い腰を高く掲げている姿が愛おしい。

そんな暁に月城は容赦なく己れの牡を突き入れる。
力強い律動が始まり、暁は夢うつつのまま快楽を享受する。
「…ああ…おお…き…い…」
前後に激しく揺さぶられ、暁の美しい艶やかな黒髪がさらさらと羽枕に散らばる。
「…んっ…森…の…あたって…きもち…いい…」
稚拙な言葉で素直に快楽を口にするのは夢うつつの時ならではだ。
だから月城は朝の暁を犯したがるのだ。
「…どこに当たっているのですか?」
わざと抽送を弱め、反応を伺う。
「…おく…ぼくの…おくに…あたって…や…だ…もっとして…森…」
よほど焦ったかったのだろう。
暁はうっすらと瞼を開き、ほっそりとした首をひねり、月城を振り返る。
「…これがそんなに欲しいですか?」
わざと乱暴に淫肉を穿つ。
「ああっ…!…ん…ほし…い…森の…もっと…ほし…」
乱れた夜着から覗く白い背中は悦楽の為に薄桃色に染められていた。
いじらしく淫らなその姿に月城は眩暈を覚える。
だからつい、意地悪なことを言ってしまうのだ。
「…誰でも良いのではありませんか…?これをしてくれる男なら。…私でなくとも…」
自分の言葉に焼け付くような情動を覚え、暁に猛り狂った牡を乱暴に擦り付ける。
力の入らない暁の両膝が崩れ落ちる。
「…んんっ…!…ちが…う…森だから…森だから…きもちいい…森と…じゃなきゃ…いや…」
泣きながら答える暁と目が合う。
…こんなにもいじらしく、健気で美しい人が他にいるだろうか…!
「暁様…!愛しています…!」
後ろから掬いあげるように暁を抱き、貌を捻り唇を奪う。
「…んんっ…はあ…あっ…ん…」
荒々しいくちづけに息が止まりそうになる暁に、月城は新たな息吹を吹き込む。
「…愛している…森…君だけだ…」
呼吸が楽になり、うっすらと 微笑った暁を月城は狂おしく抱きしめる。
「暁様…!」
…この言葉が聞きたくて、暁様を意地悪く攻めてしまった…。
大人気ない自分と暁への妄執に空恐ろしくなる。




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