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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第13章 永遠の最果て
大紋は信じられないように首を振った。
「そんな…!愛する二人をこれ以上引き離すつもりか⁈
そんなことを暁が納得すると思うのか⁈」
「納得しなくてもいい。無理やりでも構わない。このまま日本にいたら暁の心は壊れてしまうだろう。
…ただでも同性同士の結婚をした暁に日本は住みにくいところなのだ。
社交界でも薄々気づいている人もいる。
軍隊がこれ以上、力を持つようになると、第三帝国と同じように同性愛者は排除されるかもしれない。
環境を変え、心機一転の人生を始めさせるのだ。
…幸い、パリには暁の親友の風間くんがいる。
手紙に事情を書いたら、いつでも喜んで受け入れると返事をくれた。
私も一緒にフランスに渡る。暁の生活が安定するまではついてやるつもりだ。
二人分の旅券やビザももう申請した」
「礼也!それは余りにも性急すぎる!お前が暁を愛おしく思い、心配する気持ちは良く分かる。だが、それが本当に暁の幸せに繋がると思うのか?」
礼也の余りにも熱く独断的な考えに、大紋は思わず声を上げた。
以前から礼也は暁を大変に溺愛していたが、今の発言は大紋から見ても明らかに常軌を逸しているものがあった。
月城が失踪し、絶望し…心が虚ろになっている暁を目の当たりにしたからであろう。
…だがしかし、これは兄の心配の域を超えていると、大紋は危ぶんだ。
礼也は大紋の言葉に眉ひとつ動かさなかった。
「民間人の渡航はこれから益々厳しくなる。
行くなら今だ。今を逃したらチャンスはない」
「礼也!冷静になってくれ!」
落ち着かせようとする大紋に、礼也は精悍な眼差しを向けた。
そして、低く沈鬱な声で言い放ったのだ。
「…では、今の暁を見て来てくれ。
それでも私が異常だと言うのならば、それはお前が余りに楽観主義者だと言うことだ」
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