この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第13章 永遠の最果て
…月城の腕の中で、赤ん坊はすやすやと眠ってしまった。
赤ん坊を見つめながら、月城は静かに芙美に尋ねた。
「赤ちゃんの名前は決めましたか?」
芙美はきらきらと瞳を輝かせながら、答えた。
「はい。七海と名付けようと思います」
「七海?」
「…轟が、決めてくれていたんです。男の子でも女の子でもいいように…と」
月城は目を細めて、腕の中の赤ん坊を再び見つめた。
「…七海ちゃん…。いい名前ですね。
七つの海を渡るように、自由に伸び伸びと育つように…きっと轟はそう願って名付けたのでしょうね」
赤ん坊を芙美にそっと返す。
芙美は愛おしげに赤ん坊を抱きしめながら、涙を流した。
「…私、この子を必ず立派に育ててみせます。新吾と七海を…必ず幸せにしてみせます」
「…芙美さん…」
…母は強し、とは正にこのことだと月城は思った。
轟は亡くなったが二人の子ども達に、この強く聡明な母がついていれば大丈夫だ…と確信を持った。
月城は次の行動に移すべく、部屋を出た。
赤ん坊を見つめながら、月城は静かに芙美に尋ねた。
「赤ちゃんの名前は決めましたか?」
芙美はきらきらと瞳を輝かせながら、答えた。
「はい。七海と名付けようと思います」
「七海?」
「…轟が、決めてくれていたんです。男の子でも女の子でもいいように…と」
月城は目を細めて、腕の中の赤ん坊を再び見つめた。
「…七海ちゃん…。いい名前ですね。
七つの海を渡るように、自由に伸び伸びと育つように…きっと轟はそう願って名付けたのでしょうね」
赤ん坊を芙美にそっと返す。
芙美は愛おしげに赤ん坊を抱きしめながら、涙を流した。
「…私、この子を必ず立派に育ててみせます。新吾と七海を…必ず幸せにしてみせます」
「…芙美さん…」
…母は強し、とは正にこのことだと月城は思った。
轟は亡くなったが二人の子ども達に、この強く聡明な母がついていれば大丈夫だ…と確信を持った。
月城は次の行動に移すべく、部屋を出た。