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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第13章 永遠の最果て
…月城の腕の中で、赤ん坊はすやすやと眠ってしまった。
赤ん坊を見つめながら、月城は静かに芙美に尋ねた。
「赤ちゃんの名前は決めましたか?」
芙美はきらきらと瞳を輝かせながら、答えた。
「はい。七海と名付けようと思います」
「七海?」
「…轟が、決めてくれていたんです。男の子でも女の子でもいいように…と」
月城は目を細めて、腕の中の赤ん坊を再び見つめた。
「…七海ちゃん…。いい名前ですね。
七つの海を渡るように、自由に伸び伸びと育つように…きっと轟はそう願って名付けたのでしょうね」
赤ん坊を芙美にそっと返す。
芙美は愛おしげに赤ん坊を抱きしめながら、涙を流した。
「…私、この子を必ず立派に育ててみせます。新吾と七海を…必ず幸せにしてみせます」
「…芙美さん…」

…母は強し、とは正にこのことだと月城は思った。
轟は亡くなったが二人の子ども達に、この強く聡明な母がついていれば大丈夫だ…と確信を持った。

月城は次の行動に移すべく、部屋を出た。


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