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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第13章 永遠の最果て
月城はため息を吐いた。
「馬鹿なことを…。私は轟が願っていることを叶えてやりたいと思っているんだ。
轟はきっともう芙美さん達が穏やかな生活を送ることを願っているはずだ。
…もう、芙美さんを反政府運動から解放させてあげてくれないか?
あの機密文書は闇に葬るべきなのだ。
あんなものを持っているから、芙美さんは危険に晒されるのだぞ?」
冴島は憮然とし、腕を組んだ。
「あれは、芙美さんが轟さんに託されたものだ。
俺達がどうのこうの言うものじゃない。
…けれど…」
冴島は再び身を屈め、月城の耳に口を寄せる。
「…俺達は今、新天地に渡る計画を立てている」
「新天地?」
冴島が瞳を輝かせて頷く。
「支那だ。支那に渡り、俺達の新しい国を作る。
誰もが差別されない平等で自由な国を作るんだ。
これは轟さんも温めていた夢でもある。
芙美さんも聞いていたはずだ。
幾人かの仲間はもう先に渡って、地盤を築き始めている。
受け入れ態勢が整い次第、連絡が来る。
俺はそこに芙美さん達を連れて行くつもりだ。
…月城さん。それまでの間、芙美さん達の身を守ってやってくれ。頼む」
猛然と頭を下げられ、月城は返す言葉がなかった。
「馬鹿なことを…。私は轟が願っていることを叶えてやりたいと思っているんだ。
轟はきっともう芙美さん達が穏やかな生活を送ることを願っているはずだ。
…もう、芙美さんを反政府運動から解放させてあげてくれないか?
あの機密文書は闇に葬るべきなのだ。
あんなものを持っているから、芙美さんは危険に晒されるのだぞ?」
冴島は憮然とし、腕を組んだ。
「あれは、芙美さんが轟さんに託されたものだ。
俺達がどうのこうの言うものじゃない。
…けれど…」
冴島は再び身を屈め、月城の耳に口を寄せる。
「…俺達は今、新天地に渡る計画を立てている」
「新天地?」
冴島が瞳を輝かせて頷く。
「支那だ。支那に渡り、俺達の新しい国を作る。
誰もが差別されない平等で自由な国を作るんだ。
これは轟さんも温めていた夢でもある。
芙美さんも聞いていたはずだ。
幾人かの仲間はもう先に渡って、地盤を築き始めている。
受け入れ態勢が整い次第、連絡が来る。
俺はそこに芙美さん達を連れて行くつもりだ。
…月城さん。それまでの間、芙美さん達の身を守ってやってくれ。頼む」
猛然と頭を下げられ、月城は返す言葉がなかった。