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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第13章 永遠の最果て
七海を出産し一週間もすると、芙美は床上げが出来るようになっていた。

床上げした芙美は、春が昔縫ったという洋服に着替えた。
白い半袖のリネンのブラウスに紺色と黄色の格子のスカートを着た芙美は、髪も春に綺麗に編み上げて貰い、その美しい容貌と相まって女学生のように若々しく見えた。
「良くお似合いですよ。
とても二人の子どものお母さんには見えません」
月城がそう褒めると、芙美はその白い頬を紅く染め、恥ずかしそうに俯いた。

七海は藤の揺籠の中で、すやすやと眠っている。
隣の茶の間では春が莢えんどうの筋を取りながら、新吾の書き方を見てやっていた。

…話すなら今だ…。
月城は立ち上がり、春に声を掛ける。
「春さん、芙美さんと浜辺を歩いてきます。
七海ちゃんをお願いします」
芙美が驚いたような貌をして、月城を見上げた。

月城は優しく微笑んだ。
「芙美さん、少し散歩をしましょう。
潮風は身体の回復にも良いのですよ」
芙美は白い首筋を染め、嬉しそうに頷いた。
「…はい」



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