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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第13章 永遠の最果て
暁の唇は柔らかく、熱を帯びしっとりと月城を受け入れた。
気が遠くなるほどに甘やかな感触に、月城は酔いしれる。
重ねた唇を押し開き、優しく舌を差し入れると、暁はしなやかにそれに応えてきた。
舌を絡め、熱情のままに暁を求める。
甘い吐息ごと、暁を奪う。
「…月城…会いたかった…!」
感極まった訴えに、詫びるように優しく舌の愛撫を繰り返す。
緊張に固まっていた暁の身体が柔らかく蕩けだす。

…そして同じく、冷たく凍えていた月城の身体と心を、暁のくちづけが柔らかく溶かしてゆく。
何度も角度を変え、お互いの存在を確かめるように、熱いくちづけを交わす。

「…暁様…愛しています…!」
…本当は、この場で暁様を拒み、決別するべきなのだ。
暁様の平穏な生活を守る為ならそうするべきなのだ。
…だが…。

「…また、僕のことを案じているんだろう?」
心の中を見透かされ、微笑まれる。
暁から、くちづけされる。
「…僕の幸せは…君と一緒にいることだ…。
苦しくても、辛くても…。
それ以外はあり得ない…。だから、もう二度と僕を離さないで…」
新たな涙が暁の白磁のような頬を伝う。
「…暁様…」
愛おしげにその涙を唇で吸い取る。

「…私は、礼也様に殺されるかも知れませんね」
暁のことを眼の中に入れても痛くないほどに可愛がっている礼也だ。
今もどれほど心配し、月城に対して憤っているか…。

暁は笑って月城にしがみつく。
「命乞いは僕に任せてくれ。大丈夫、兄さんは僕には甘いから」
暁の笑顔は世界で一番美しいと思う。
嫋やかな白い花のような、儚げな笑み…。
その貌、その姿を見るだけで胸が掴まれるような感情に襲われるのは、暁ただひとりだ。

…なぜ自分はこの美しいひとと離れて生きて行けるとほんの僅かでも思ったのだろうか…。

「暁様、どうしてここがお分かりになったのですか?」
気になっていた疑問を口にする。
暁は月城の引き締まった頬を撫でながら、振り返る。

「春さんが、手紙をくれたんだ。
…月城がここにいるから…て。
二人は決して離れてはだめだから…て…」

砂の丘陵の上…春は佇み、こちらを見ていた。
遠目でもその和かな笑顔は分かった。
月城は万感の想いを込めて、深々と頭を下げた。


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