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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第13章 永遠の最果て
「月城!」
眦を張り裂けそうに見開き、暁が叫んだ。
「やめて!」
暁が思わず鬼塚に近づく。
鬼塚は隻眼を鋭く眇め、暁の肩を荒々しく引き寄せ、背後から抱き込むように羽交い締めにした。

「…貴様にこっちの方が効きそうだ…」
歪んだ暗い笑みを浮かべると、まるで愛撫するように暁の身体を抱きしめる。

月城が吠えるように叫ぶ。
「何をする!暁様を離せ!」
鬼塚が高笑いしながら、短銃を握りしめたまま暁の身体を弄る。
白く華奢な首筋に指を伸ばし、その感触を味わうかのように、じっくりと撫で回す。
「…綺麗な肌だ…。上玉の女みたいな…いや、それ以上だ。貴様が夢中になるのも分かるな…」
暁が鬼塚の腕の中で、必死にもがく。
「…いや…だ…!…はな…せ…」
蒼白な貌に激しい怒りの表情を浮かべ、月城が低く呻る。
「暁様から手を離せ!さもないと…お前を殺す…!」
鬼塚は暁を抱きしめたまま、右手の短銃の銃口を暁に向けた。
月城が息を飲む。
「貴様は今の状況が分かっていないようだな…。貴様が一歩でも近づいてみろ。…このピストルが火を噴き、暁様は死ぬんだ。…俺の腕の中でな…」
鬼塚の高笑いが部屋中に響き渡る。
可笑しくて堪らないように笑い転げる。

「…お前は…!どこまで卑怯なんだ!」
血が滲むほど唇を噛み締める。
だが、鬼塚に近寄ることは出来ない。
鬼塚の鈍色に輝く禍々しい銃口は、まさに暁のこめかみに当てられているのだ。

恐怖に引き攣った暁の美しい貌が必死で訴える。
…落ち着いて、月城…。
僕は…耐えるから…と…。
「…暁様…!」
氷の人形のように怜悧な男が激しく動揺していることに鬼塚は気を良くし、口許に歪んだ笑みを浮かべる。
そして、まるで愛を囁くかのように暁の耳朶を甘く噛む。
「…何ていい匂いなんだ…。香水とは違うな…。異国の…妖しい花のような匂いだ…。男を狂わす魔性の花…。
あんた…この身体で何人の男を誑かしてきた…?」
低く笑いながら、その白絹のようなうなじに噛み付いた。
「…どこもかしこも綺麗だ…。この肌…まるで真珠のようじゃないか…」
鬼塚の唇が這い回る。
「ああっ…!…嫌…っ…」

暁の悲痛な叫び声に、月城の胸は張り裂けそうになる。
「やめろ!鬼塚!…私を殺せ!その代わり、暁様を離せ!」
月城の言葉に、暁が涙を零しながら首を振る。
「…だめ…!月城…!だ…め…!」



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