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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第13章 永遠の最果て
「…だめ…月城…」
男に身体を弄られながらも、暁は必死に月城を見つめる。
夜の湖のような黒い瞳から透明な涙が滴り落ちる。
鬼塚はうっとりとしたように、その貌に見惚れる。
暁の形の良い顎を掴み、自分の方を向かせる。
「…あんた…泣いても綺麗なんだな…。
…泣くな。そんな男のために…涙なんて流すな…。
俺を見てくれ…」
魅入られたように、貌を近づける。
「…離して…お願い…」
抗い続ける暁に苛立ったかのように、鬼塚はその場に押し倒した。
「ああっ…!やめ…て」
「鬼塚!やめろ!」
月城の鋭い叫び声を鼻で笑い、敢えて見せつけるように暁に馬乗りになる。

短銃は暁に向けたままだ。
「近づくな。一歩でも近づくとこいつを撃つ…!」
月城の脚が凍りつく。
鬼塚は冷ややかに笑い、言い放つ。
「…貴様らの愛とやらがどの程度のものか、今から拝ませて貰おう」
「何をする気だ…!」
それには答えず、鬼塚は暁の優美な貌の稜線をなぞり、恐怖で戦慄く唇に指を滑らせた。
黒革の手袋の指はそのまま白い喉元に落ちてゆく。

「…愛する者が目の前で犯されても、貴様らの愛は変わらないのか、とくとこの目で拝んでやる」
冷え冷えとするような冷酷な言葉が、鬼塚の唇から放たれた。
「鬼塚ッ…!」

暁が全力でのし掛かってくる男を払いのけようとする。
「嫌だ…!やめて…!」
「俺を拒むな。…あんたの命は俺の手の中にあるんだ」
冷淡に恫喝すると、暁のシャツのボタンを引きちぎり、乱暴に脱がせ始める。

「鬼塚!私を撃て!暁様から手を離してくれ!」
月城の慟哭の叫び声を、鬼塚は無視する。
両手で暁の貌を持ち上げ、無理やり唇を奪う。
愛を乞うように、囁く。
「…俺のものになれ。俺はあんたが…」
暁はびくともしない男を必死で突き放す。
そして、涙で溢れた瞳で男を睨みつけた。
「無理やり犯すのか…⁈…まるで…君の妹を犯した…あの神父のように…僕を犯すのか…⁈それじゃ君は…あの神父と同じじゃないか…!」
鬼塚の表情が一気に強張り、動きが止まる。
「…黙れ…」
嗄れた吐息のような声が漏れる。
「力尽くで犯すなんて、君はあの神父と同じだ…!君の妹は…」
「黙れ!」
鬼塚が短銃を持ったまま、片手で暁の首を絞め上げた。
憑かれたように繰り返す。
「黙れ…黙れ…!あんな犬畜生にも劣る獣と俺を一緒にするな!黙れ…黙れ…!」








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