この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
隠密の華
第11章 十

「……本当に、感謝している。国の為に体を張り、気苦労耐えない事だろう。旅に出ているという父親は見つかったか?」

「いえ……私が結婚していることも知りません。白夜達には、両親共に旅に出て帰らないと言ってあります……」

「そうか……火凰国にいる胡蝶の両親も見つからない。三人がお前に気付いたら、さぞ驚くだろう」

「そうですね……その時は上手く誤魔化さないと」

真剣な顔で設樂様が話すと、私も深刻な顔になる。しかし――

「本当は……お前を白夜に渡したくはなかった」

続けられた言葉を聞くと、一瞬呆然とした。

「えっ?」

「胡蝶としてではない。都として、俺はお前を愛していた」

「設樂様……何を……?」

「こんなことを告げても、もう遅いがな」

困惑する私を、まっすぐな瞳が捕らえて離さない。……何故、こんなことを。設樂様がこんな冗談を言うとも思えない。

「国の為にお前を手離したが、この一年忘れることが出来なかった」

「本当に、どういうことなのでしょうか……」

「お前に会いたくて堪らなかったということだ」

頭が混乱する私へ、唐突に設樂様は微笑みながら右手を伸ばす。そして――そのまま優しく私の頭を撫でた。

/247ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ