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隠密の華
第14章 十三

私が幼い頃に拾って下さり、隠密として育てて下さった。

設樂様の命令なら何でも聞く。

命をかけても良い。

……そう思っていたのだが。



「申し訳ありません。それは出来ません」

「……理由は桐か?」

「はい……白夜から偽物だと気付かれている今、私はもう胡蝶のふりをすることは出来ません」

「国を捨てるか?」



低い設樂様の声に、一瞬びくっと両肩が震える。


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