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溺れる金魚
第15章  彼の怒り
声の震えはまだ治まらなかった。

「俺というものがありながら、それを誰に付けられた?」


「あの……それ、って……?」

「そのキスマークだよ!誰に付けられたかと聞いているんだ。いつ、誰に抱かれて付けられたんだっ!」


分厚い窓ガラスに拳で怒りをぶつける。


ドゥンと鈍い音が虚しく消えていく。



やはり彼女は自分以外の男に。

片想いではなく、既に繋がっていたとは!



それでもただ困惑するばかりの彼女に苛立ち、腕を乱暴に掴んだまま無理矢理洗面所へと連れていく。
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