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溺れる金魚
第20章  ほどける心
ずっと知りたかった。紗良が処女だったのかどうかを。

薄く残る記憶の中で、初めて……と彼女は言っていた……ような気がする。


あれが願望から生じた勝手な記憶でないのであれば。

それならもっと優しくして……じっくりと慣らしていきながら味わいたかった。


それなのに……。

何てバカなことをしてしまったのか。


あんな無理矢理犯すような真似。



自分とのセックスを嫌いになってしまったのではないか……。

いや、それどころかそこに行き着くまでの行為全てが……。



怒りで抱いた自分を今まで以上に嫌ってしまうのではないか。


後悔の念に押し潰されそうだった。

彼女が今朝どれ程傷付いたのかと思うと申し訳なさしか無かった。
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