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終止符.
第13章 ひとり
「えっ?」
「何か急に元気なくなったじゃない。さっき奈緒を迎えに行く時はあんなに張り切って出て行ったのに。」
目ざとい沙耶は落ち込んいる純にすぐに気がついた。
「そういえば顔がひきつってる。」
千秋が言う。
「もしかして、奈緒にフラれた?」
沙耶が冗談混じりにいたずらな目をして聞いた。
「ハハッ…まぁそんなとこかな。」
純が頭を掻いた。
「えーっ!」
「えーっ!」
沙耶と千秋が同時に声を上げた。
「撃沈か…」
そう言って森下が口をポカンと開けた。
「奈緒。」
沙耶が奈緒を軽く睨んだ。
「あ、いや沙耶さん、奈緒さんは悪くないんです。」
純が焦って口を挟んだ。
奈緒はグラスにビールをつぎ足して一気に飲み干した。
「ぷは~っ、やっぱビールだよねー。」
「奈緒、多田さんはまだしも、純をフるにはまだ早いでしょ。」
「えっ、 多田さん?」
沙耶の言葉に純が身を乗り出して聞き返す。
「そうなんだよ純クン。じつは君がいない間に経理部の多田っていうなかなかいいヤツが立花さんにフラれてね。撃沈さ。」
森下の説明に純はため息をつき、イスの背もたれにドンと背中を預けた。
「しかもその理由が、10才以上年上じゃないとダメ…」
「しぃ~っ!」
沙耶が森下の言葉を遮った。
「あ、やば…」
森下がしまったという表情で純を見た。
純はますます落ち込んで悲しそうに奈緒を見つめる。
「あの、奈緒さん。 好きな人って…どんな人なんですか?」
「えーっ!」
「えーっ!」
沙耶と千秋がまた声を揃えた。
「立花さん、好きな人がいるの?」
森下が聞くとみんないっせいに奈緒を見た。
「……」
奈緒はみんなの視線を浴びながら、また何杯目かのビールを飲み干し、半ばヤケになって一言呟いた。
「いるけど言わない。」
「言いなさい。」
「アタシ達の知ってる人?」
「相手はそのコト知ってるの?」
「奈緒さん。」
「だから言わない。」
「じゃあ、いつ言うの?」
沙耶が聞いた。
「今でしょ。」
みんなの冷たい視線が森下を襲う。
「ゴメン、ははっ…」
「まったくも~。」
沙耶はKYな森下と頑固な奈緒にため息をついた。
奈緒はクスクス笑いながら、隣にいる純の視線に胸が震え、それを隠す為にまたグラスを空にした。
「何か急に元気なくなったじゃない。さっき奈緒を迎えに行く時はあんなに張り切って出て行ったのに。」
目ざとい沙耶は落ち込んいる純にすぐに気がついた。
「そういえば顔がひきつってる。」
千秋が言う。
「もしかして、奈緒にフラれた?」
沙耶が冗談混じりにいたずらな目をして聞いた。
「ハハッ…まぁそんなとこかな。」
純が頭を掻いた。
「えーっ!」
「えーっ!」
沙耶と千秋が同時に声を上げた。
「撃沈か…」
そう言って森下が口をポカンと開けた。
「奈緒。」
沙耶が奈緒を軽く睨んだ。
「あ、いや沙耶さん、奈緒さんは悪くないんです。」
純が焦って口を挟んだ。
奈緒はグラスにビールをつぎ足して一気に飲み干した。
「ぷは~っ、やっぱビールだよねー。」
「奈緒、多田さんはまだしも、純をフるにはまだ早いでしょ。」
「えっ、 多田さん?」
沙耶の言葉に純が身を乗り出して聞き返す。
「そうなんだよ純クン。じつは君がいない間に経理部の多田っていうなかなかいいヤツが立花さんにフラれてね。撃沈さ。」
森下の説明に純はため息をつき、イスの背もたれにドンと背中を預けた。
「しかもその理由が、10才以上年上じゃないとダメ…」
「しぃ~っ!」
沙耶が森下の言葉を遮った。
「あ、やば…」
森下がしまったという表情で純を見た。
純はますます落ち込んで悲しそうに奈緒を見つめる。
「あの、奈緒さん。 好きな人って…どんな人なんですか?」
「えーっ!」
「えーっ!」
沙耶と千秋がまた声を揃えた。
「立花さん、好きな人がいるの?」
森下が聞くとみんないっせいに奈緒を見た。
「……」
奈緒はみんなの視線を浴びながら、また何杯目かのビールを飲み干し、半ばヤケになって一言呟いた。
「いるけど言わない。」
「言いなさい。」
「アタシ達の知ってる人?」
「相手はそのコト知ってるの?」
「奈緒さん。」
「だから言わない。」
「じゃあ、いつ言うの?」
沙耶が聞いた。
「今でしょ。」
みんなの冷たい視線が森下を襲う。
「ゴメン、ははっ…」
「まったくも~。」
沙耶はKYな森下と頑固な奈緒にため息をついた。
奈緒はクスクス笑いながら、隣にいる純の視線に胸が震え、それを隠す為にまたグラスを空にした。