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終止符.
第14章 想い
∞∞∞∞∞∞∞

「あの…、純。」


リビングの狭いソファーでまどろみながら、純に肩を抱かれた奈緒が話しかける。


「なんですか?」

「あなた、その…、疲れないの?」


奈緒が横を向いて純を見上げた。


チュッ…


純は奈緒の唇に軽くキスをしてクスッと笑った。

「いつになったら疲れるのか試してみますか?」

「いい。」

「えっ?」

「試さないで。」

「残念です。きっと何日も服を着なくて済みますよ、ご飯を食べてる暇もない。」

「絶対に試さないで。」

「ぷッ…、アハハハハ…」

「ふふっ、あはははは…」


二人はお互いを指差しながら笑い、また柔らかく抱き合った。


「あ、電話。」


純の携帯が鳴った。


「…どうしよう、篠崎さんだ。」


携帯の画面を見ながら純の顔が曇る。


「あ、昨日からあなたを心配していたわ、早く出て。」

「でも…」

「あなたが出ないと、きっと私の携帯に掛かってくるわ。」

「いやだ。」


純は慌ててボタンを押し携帯を耳にあてた。


『……はい、……そうです純です。…はい、昨日はお邪魔しました、……あ、ご心配お掛けして申し訳ありませんでした。………いえ、…そんな事は…はい、はい、……えっ?』


純の顔色が焦りの色に変わった。


『そんな…、いいえ僕、会えません……いえ、……でも、僕に会う資格はありません……いえ、本当に、もう、僕の事は………いえ、ご迷惑をお掛けしたくないんです……ごめんなさい…はい、あの、でも…』


純は泣きそうになっていた。

奈緒が昨日、公園で見つけた時のように。



『はい……今ここにいます…ちょっと待って下さい。』


純はどうしていいのか分からず、助けを求める様に奈緒に携帯を差し出した。


『奈緒さん…、篠崎さんが、変わって欲しいって…』


純は電話を手渡すと、両手で頭を抱えるようにしてソファーに深くもたれ掛かった。


『もしもし、代わりました、立花です。』


『彼は無事だったんだね、よかったよ。』

『はい、連絡出来ずに申し訳ありませんでした。』

『いや、いいんだ。』

『あの…、それで何か…?』

『うん…、じつは……妻が、どうしても彼に会って話がしたいと言っているんだ…』

『えっ?』


奈緒は驚き、項垂(うなだ)れている純を見つめた。

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