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終止符.
第3章 逢瀬
フゥーっと息を吹き掛けると、蝋燭の火が揺れながら消え、小さな煙とともに燃えた後の匂いが奈緒の鼻をくすぐった。

「奈緒、ハッピーバースデー。」


薄明かりの中で、グラスにシャンパンを注ぎ、奈緒に渡しながら篠崎が言う。

「ありがとうございます。」

乾杯をして、シャンパンを飲む。

篠崎に見つめられ、奈緒は頬を染めた。

「こっちにおいで。」

ソファーに腰掛けた篠崎の隣に座る。

「奈緒。」

「はい。」

「営業部の森下を知ってるかな?」

「はい、営業部の人はみんな知っています。」

「うん。彼はなかなかのやり手だ。」

「何かあったんですか?」

「君に好意を寄せているらしい。」

「………」

「付き合っている男がいるのか聞かれてね。」

「部長はなんて?」

「わからないと言っておいたよ。」

「そうですか。」

「奈緒…」

「他の人と付き合う気はありません。」

「………」

「部長。」

「妬けたよ。」

「えっ?」

「ヤツに嫉妬した。」

「部長…」

「君と森下が裸で絡み合う姿を想像して嫉妬した。」

「やめてください。」

「ふっ…自分勝手な男だろう?」

ため息混じりに篠崎が言った。

「えぇ。でも嬉しい。」

篠崎は奈緒を熱く見つめ、そっと唇を重ねると、奈緒の服を脱がせながら舌を絡ませ、激しいキスを繰り返した。

「シャワーを…」

「待てないよ。」

「…待って…部長…服にケーキのクリームが…」

「あ、ごめん。そっと脱がせるよ。」

奈緒はTバック一枚にされ、シャツを脱いだ篠崎の膝に跨がった。

指でケーキの生クリームをすくって篠崎に舐めさせる。

篠崎の舌が奈緒の指に絡み付き、身体が疼きだす。

指先、指の間、手のひら、指の間…

妖しく奈緒を見つめながら、舌を這わせ、官能を呼び覚ます。

奈緒はクリームを両方の乳房にのせた。

「好きな場所を隠すなんて。」

「探してみて下さい。」

篠崎は両手を奈緒の背中に回し、左の乳房にのせられたクリームを舌先で舐め取った。

舌が乳首をかすめる。

「……っ」

乳首の周りをくるくると遊ばれ、残った場所にあるクリームは口に含まれたまま、舌で擦られ音を立てて吸われた。

「うぅッ…」


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