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終止符.
第4章 疼き
仕事中にどうしても篠崎を見つめてしまう。

「奈緒、どうしたの?」

沙耶が話しかける。

「えっ?」

「さっきから部長を気にしてばかり。」

「素敵だなぁと思って。」

「あら、今更?」

「変?」

「気持ちわかる~。
つい見とれちゃうよね。でもだーめ、愛妻家らしいし、社長の娘が相手じゃね。」


演じているのよ。


「そうよね。」

「人のものより、純にしとけば?」」

「若すぎない?」

「そこがいいの。あはは。」

そんな会話の途中で篠崎と目が合ったが上手くかわされ、奈緒は軽く傷ついた。

篠崎と会話をしている女子社員に嫉妬を覚える。

特別な視線を投げ掛けて欲しい。

近づきたい。
近づけない。

奈緒の心は乱れ、篠崎が一人で歩いていると、駆け寄ってその胸に飛び込んでしまいたい衝動を何度も押さえた。

日を追う毎に切なさがつのった。


「立花さん。」

「はい。」

「出張の件で打ち合わせをしたいんだ。」

そう言って来客用の小部屋に入る篠崎の後に続く。


「2日後の新幹線の予約を頼む。」

「はい。」

「どうしたんだ。」

「えっ?」

「最近様子が変だ。」

「いぇ、なんでもありません。」

「30日に戻るから。」

「はい。」

「逢えるかな。」

「はい。」

「じゃあ頼むよ。」

そう言って篠崎は戻って行った。


奈緒は胸に手を当てて安堵した。
泣きたい程嬉しかった。

たくさん甘えたい。

熱く囁いて、私を溶かして。

篠崎に抱かれる事を思っただけで、奈緒はじんわりと熱くなった。

頬は紅潮し、胸が高鳴った。

「奈緒、帰りにご飯食べに行かない?」

「いくいく。」

声が弾む。

「千秋はデートだって。」

「残念。」

「彼と結婚しちゃうのかな?」

「そうかもね。」

「いいなぁ。」

「結婚したいの?」

「いつまでも一人ではいられないからね。」

「まあね。」

「奈緒は焦らない?」

「まだ自由でいたいの。」

「ふふ、永遠に自由かも。」

「あはは。そうかもね。」

そんな話をしている所へ営業部の森下がやって来た。

「これ先月出張した時の領収書なんだけど。」

奈緒に渡す。

「はい。ではすぐ返金しますからお待ちください。」

「よかった~。」

ほっとする森下に沙耶が話しかけた。



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