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終止符.
第4章 疼き
「森下さん、今日私達とご飯食べに行きませんか」

「えっ?」

「ちょっと沙耶。」

「いいじゃない。」

「あの、立花さん、いいのかな?」

「え、えぇもちろん、よかったらどうぞ。」

「じゃあ俺、ご馳走するよ。現金も入ったし。」

森下は奈緒から返金された現金を嬉しそうに財布にしまいこんだ。

「ラッキー。じゃあ7時に駅前の居酒屋で。」

「あそこでいいの?」

「よく行く場所の方が気楽でしょう?」

「そうだな、そうしよう。」

「奈緒、いいよね。」

「了解。」

「それじゃ7時に。」

「7時に。」

森下は嬉々として経理部を出て行った。


「沙耶…」

「えへっ。」

沙耶の狙いが読めた。

「好きなの?」

「まだわかんない。」

「そっか。」

そう言いながらも沙耶の顔は嬉しそうだった。

付き合う度に浮気され、男性不振に陥ってばかりいた沙耶が、久しぶりに積極的になろうとしていた。

明るく正直な沙耶は、奈緒にはない素直さを持っていた。

奈緒は沙耶のそこが好きだった。

「応援するわ。」

「ありがと。」

二人はお互いに好きな男を想い、胸が高鳴っていた。

仕事もいつもよりハイペースで進み、取引先への請求書の発送まで問題なく片付いた。


「さぁ、終わった終わった。行こうか奈緒。」

「了解。時間まで少し街をぶらつこう。」

「そうだ、かわいい雑貨屋さんが出来たんだよ。そこに行かない?」

「私まだ中に入った事なかったの。そうね、行ってみよう。」


真新しい雑貨屋は、キッチン用品から文房具、コスメ、アクセサリー等、あらゆるものが並んでいて二人の目を楽しませた。

奈緒は明るいビーチを映し出したジグソーパズルの前でふと足を止めた。

白い砂浜と青い海、空、雲、ヤシの木とハイビスカス。夏を映し出したその景色が、なぜか純を思い出させた。

純へのプレゼントはこれにしよう。

奈緒はプレゼントの下見が出来てよかったと思いながら、その日は篠崎が来てくれる日である事を思い出した。

早めに純に渡して部屋に戻れば、篠崎が訪れる時間と重なる事はない。

奈緒はそう判断して小さな気掛かりを解決した。

待ち合わせの時間に居酒屋に入ると森下が、

「こっちだよ。
俺も今来たとこ。」

と言って二人を出迎えた。


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