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Dollと云う名の奴隷
第21章 消えた記憶
退院後、移転という形で神崎さんのクリニックに移ったが実際には神崎さんの自宅でお世話になっている。

クリニックには入院施設を設けているけど実際には機能させていないのでそちらで生活するのは実質難しいらしい。

相変わらず記憶は回復しないけど神崎さんは焦ると余計に回復が困難になる事もあるのでゆったりと生活する事を勧めてくれ、至れり尽くせりの生活で本当に良くしてくれる。

体力も筋力もかなり落ちていて全く動けない日もあったが、何もしないでお世話になるのも申し訳ないのでできる範囲で食事の支度をしたりお掃除をして1日を過ごしていた。


神崎さんの寝室のお掃除をするために部屋に入り机の上を拭こうと見るとカルテが置いてあった。
カルテは重要書類にあたるので私は触れて見たりしない。
今日は机の上を拭くのはやめようと思って持っていたダスターを畳んでいた私の目に入ってきたのはカルテ欄の私の名前。
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