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第22章 記憶を探し求めて

自分の身体に何が起こっているのか、何故病院に運ばれたのか、私の頭の中はそれでいっぱいだった。
カルテに毎日、点滴の記載があった。
と言う事は私はここに毎日、通院していたと言う事だろう。
ここに私の記憶を取り戻す手掛かりが何かあるかも知れない。
そう思った私はクリニックの周辺を歩いたり、持っていた自分の荷物を探った。

いつも持ち歩いていたボイスレコーダーがない。
小説や詩を書くことを趣味としてる私は思いついた時に記録出来るようにカバンにはいつもボイスレコーダーを忍ばせている。
そのボイスレコーダーがどこにも見当たらなかった。
もしかしたら私がどこかに置きっ放しにしてしまいそれを神崎さんが持っているかも知れないと思って私は午前診が終わるのを待ってクリニックに繋がるドアを開けた。

クリニックではまだ、事務処理が残っていたらしく従業員と話している声が聞こえた。