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第4章 前へ

男の人と2人っきりで出掛けるなんて元彼と以来。
私は大きく深呼吸して玄関のドアを開けた。

約束の場所に着くと既に神崎さんは来ていた。
「 すみません。お待たせしてしまって。」
私がお辞儀しながら謝罪すると
神崎は慌てた様子で肩に手をあて。
「 香音さん顔を上げてください。まだ、約束の1時間も前ですよ…。家に居ても落ち着かなくて私の方が早く来過ぎたんですから。」
私が顔を上げて神崎さんを見ると彼は少し間を置いて急に笑い出した。
私は意味が分からずキョトンとしていると
「 いや、すみません。双方に落ち度のない謝罪が可笑しくて。」
確かにそうだ。
私たちは時間まで近くのカフェで時間を潰してから試写会に向かった。