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Dollと云う名の奴隷
第27章 吐露
心が縛られているのを感じていた。
体のどこも拘束されていない。
外出も携帯の使用も制限されている訳じゃない。
自宅にも定期的に帰されて普通に生活している様に見えるのに、私はご主人様に囚われている。

思い返せば始めからずっとそうだった。
ご主人様から離れようとするたびにあらゆる手段で捕らわれては躾を受けて心を折られる。

ご主人様は私の全てお見通しで、それはまるでどんなに高く飛んでも何処までも遠くに走ってもお釈迦様の掌から出れなかった孫悟空みたい。

何も考えずに、何も感じることなく何も求めることなくいれば楽なのかも知れない。
でも、心はそれを承諾してくれない。
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