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Dollと云う名の奴隷
第1章 再会
「 みーつけた。」
買い物帰りの駐車場でその不敵な声に私の背筋は凍る。
「 言っただろ、キミは私からは逃げられないって。」
間違いなくそれは悪魔の声だった。

もうずっと昔、私は彼のDollと言う名の奴隷だった。
彼から離れてからもその感覚が普通ではないと判断できなくなる程にまで調教されその後に付き合う人にもされるまま何処までも堕ちていく。
そして1度経験した事には免疫ができてしまい、その感覚が私を更に深みに堕としていった。

私は振り返らず歩き出す。
すると、早足で足音が近付いてくる音が後ろから聞こえてきた。
逃げたいのに恐怖で思う様に体が動かない。
突然、強い力で手首を掴まれ引っ張られた。
年齢を重ねた彼の風貌があの悪夢から四半世紀位の時が流れた事を自覚させられる。
声を聞かなければ彼とは分からなかったかも知れない。
私の顔をマジマジと見ながら彼は高笑いした。
「 驚いたよ。本当に人形だあの頃とキミは変わらない。」
私も彼同様に年齢を重ねた。
幼い顔立ちではあるけれど変わらないはずはない。
彼の脳内は未だかつて尚、昔の私を見ているのだろう。
「 その手を離してください…。」
私は掴まれた左手を振り解こうと力を入れた。
その言葉に彼は怒りを隠そうともせず私の顔の高さまで持ち上げた。
「 何、その反抗的な態度。こんな手、一本くらい簡単に折れちゃうんだよ。なんならこっちの右手も。両足だってね。」
そう言いながら彼は見下す様に笑う。
あの頃と彼は何も変わらない。
でも私はもう、彼の人形ではない。
「 それで、気がすむなら折ってもいいです。でも、私は2度とあなたの言いなりになったりしない。」
私の左手を握っていた彼の手が手首を捻りながら力を込めてくる。
彼はきっと本気なんだ、そう思った時、彼の力が緩んだ。
「 僕は欲しいものは何もかも手に入れてきた。何もかもだ!手に入らないものは何も無かったのに…。なぜ、キミを手に入れられないんだ…。」
私は何も言葉が出てこなかった。
あの頃と何も変わらない彼。
欲しいものが全て手に入る満足な生活は人の成長を阻む。
その先に望むものがないのだから仕方ないのかも知れない。
彼はその犠牲者なのかも。
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