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愛のシンフォニー
第4章 それぞれの愛
「ねえ、あなたのステキな音色をもっと聴きたいわ。もう少しわたしにお付き合い願えるかしら」

女社長は妖艶に微笑んで徳造に3万円を見せつけた。
女社長の目的はよく分かる。今は美樹じゃない女性と淫らなことなんかしたくない。適当に理由を付けて帰りたいところだが、家賃を払ってしまってほぼすっからかんの徳造には3万円は大きい。この3万円があれば美樹とのデートが少し豪勢にいける。

デートに誘った時の美樹の嬉しそうな笑顔が浮かんでくる。徳造は美樹との想い出に残る素敵なデートのために背徳感につぶされそうになりながらも女社長の誘いを受けることにした。

女社長は徳造と腕を組んで嬉しそうに夜の街を歩く。

「こうしてふたりきりの時は貴美子でいいわ。ううん、そう呼んでほしいの」と女社長は甘えた声で言う。

「き、貴美子さん・・」
徳造は少し緊張して女社長を名前で呼んでみる。

「ウフフ、緊張してるのかしら。そういうウブなとこ好きよ」

徳造と貴美子は街中にあるお洒落なラブホテルに辿り着いた。

部屋に入ってヴァイオリンのケースを置こうとした時にテーブルの上にカタログが置かれているのが目に止まった。
食事やお酒を注文するためのカタログだが、その中に大人のオモチャのカタログがあって巨大なバイブの写真があった。

「ウフ、わたしがそういうの使ってるか想像したでしょ」と貴美子は悪戯っぽく笑った。

「い、いえ、そんな失礼なことは・・」

「とりあえず乾杯。お酒は冷蔵庫にあるものでいいわよね」

おどおどとして顔を赤らめる徳造に微笑みを贈ると貴美子は冷蔵庫の中から缶ビールを2つ取り出して1つを徳造に手渡した。

「いいのよ、そういうオモチャを使ったことがあるのは本当だから・・」

乾杯をしてビールを一口飲むと貴美子は自分のことを語り始めた。

「夫とは不仲でね、もう何年も男の人と体を重ねたことはないわ。つまらない男に抱かれるのもイヤだから、ずっと独り・・。時には会社の女のコたちに手を出したこともあったけど、やっぱり女の体は挿入るべきものを求めるように出来てるのね。だからこういうモノで寂しさを紛らわせてた」

と貴美子はカタログにあるバイブの写真を指さした。

徳造は貴美子がバイブで自慰にふけったり会社の女性とレズってる姿を想像して赤面する。
そんな徳造にウフフと笑いながら貴美子は話を続ける。
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