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幸せの欠片
第7章 夫の企て
 最初に鋭い痛みを感じたが、夫に力を抜くように言われて試してみると、痛みが遠のき、代わりに不思議な感覚が湧き上がって来た。

 これまで知らないような、或いは、便意をもよおすのに似たような、際どい感覚だった。

 麻衣は、ただ早く抜いてくれることを願っていた。


「まぁ、慌てることもないから、ゆっくり覚えさせてやるさ」


 夫はそう言うと、指を抜き取り、サックを外した。

 麻衣は、ホッとしたが、夫の指を汚したかもしれないと思うと、羞恥で赤くなった。

 そこへ夫は取り出したロープで、麻衣を後ろ手に縛り上げると、床に転がした。


「どうだ、痛いか?」

「いいえ……、そんなには……」

「よし。麻衣は素直だな。ご褒美をやろう」

「はい」


 麻衣は、床に転がったまま、夫に返事をし、上を見上げてみた。

 夫は洗濯バサミのようなものを持って、麻衣に迫っていた。

 どこにつけられようと、痛みが襲って来るのは間違いない。

 縄が身体を拘束し、逃げようもなかったが、必死にもがいた。

 夫は、麻衣にそれを見せながら、縄のかけられていない右の乳首を挟んだ。


「あーっ!」

 少しはバネが緩めてあるように感じられるものの、強くつねられているのと同じくらいの衝撃を感じた。


「はぁっ、はぁっ……」


 痛みに耐えていると、左の乳首も挟まれた。


「あぁ〜っ……」

「痛いか?」

「はいっ……痛いです……」

「よく似合うぞ、麻衣」


 夫は、外してくれることなく花芯に手を伸ばすと、そこを弄び始める。

 痛みと甘みが一気に麻衣を襲い、混乱を来して、もう意味のある言葉を発することはできなかった。


「あぁーん、あぁ、あぁ、あぁー……」

「ぐしょぐしょだなぁ」


 夫の言う通りだった。

 もう自分が肉塊以外のなんでもないように思えて来て、快楽の方向へとひたすら突き進んでいる感じがした。

 麻衣は一気に上り詰めると、体をピクピクと震わせた。

 夫は壺に指を二本入れると、麻衣のGスポットを刺激し、捻りを加えた。


「あぁーん、また出ちゃう……」


 大きな波のように快感が麻衣を襲い、先日、初めて体験した潮を吹いていた。

 麻衣は、さっと生ぬるい液体が秘部を覆うのを感じたが、先のような羞恥ではなく恍惚を感じていた。
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