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幸せの欠片
第7章 夫の企て
「アリアも、いろいろ経験して来たのね?」

「はい。麻衣さんも、もっとたくさん経験してください」

「私は・・・・・・」

「ご主人も、そうして欲しいんだと思います」

「………」

「櫂さんも、すごく乗り気だし……」

「そういえば……、毎日、ここへ通うように、って夫に言われたのだけど、契約っていつまでなのか知ってる?」

「それは、まずダイエットが一つの区切りでしょうし、ご主人が何か仰ると思います」

「アリアも夫と打ち合わせをしたり、何か頼まれたりしているの?」

「いいえ、特には……。でも、櫂さんが細かい打ち合わせをしているはずです」

「え? そうなの?」

「あまり、おしゃべりすると叱られるので、内緒にしていてくださいね」

「えぇ、もちろんよ」

「ご主人は、私たちの雇用主側の人なので、あまり話をしてはいけないと言われているのです」

「え?」

「あ、もうこの辺でおしゃべりは、やめます」

「わかったわ。でも、また質問があったら訊いてもいい?」

「いいですよ。お話しできることはお話しします」

「ありがとう」

「麻衣さん、私のことも好きになってくださいね」

「えぇ……、恥ずかしいところばかり見られているけど……」

「そんなことないですよ。麻衣さんは可愛いです」

「また、明日も、あのお尻のを……されるのかしら?」

「浣腸ですか?」

「え、えぇ……」

「あれは、週に二回だけですから明日はありません」

「良かった……」

「あれは、最初は辛いかも知れないけれど、もっと気持ち良くなるためには大事なことなのです」

「どう大事なの?」

「プレイの途中で、汚いものを見られる方が恥ずかしいでしょう?」

「そうだけど、お尻で感じるようになるのかしら?」

「なりますよ。それに麻衣さんの恥ずかしがる姿や、我慢している姿に、見ている側は、たまらなくなるものなのです」

「そう……」

「愛する人のために頑張るって考えると、どうですか? 嫌じゃないでしょう?」

「それは、そうかも……」

「私は好きですよ、そういうの」

「アリアはM?」

「そうですよ、基本は……」

「そうじゃない時もある?」

「いいえ、ただ、見ていて共鳴……? 一緒に感じるのです」

「そうなのね……」


 麻衣には、まだ実感が湧かなかった。
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