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幸せの欠片
第8章 悟の出張
デボラに引かれてシャワーを終えると、すぐに就寝の時間が来た。
寂しかった。
麻衣は、自分がなぜここにいなければならないのかを疑問に思い始めていた。
そして寂しさは、夫が出張で離れているせいではなく、アリアが側にいないからだと気が付いていた。
アリアと一緒に眠ったのは、まだ昨夜のことで、たった一日しか過ぎてはいない。
もしかすると彼女は転勤になってしまい、もう一緒の時間を過ごせないのかと思うと切なかった。
部屋は午睡の時に使ったのと同じ部屋だった。
テレビをつける。
中身を観る気はなかったが、タイトルだけ確認をすると、今日の分もビデオは追加されていることがわかった。
麻衣の首輪には鎖が取り付けられていたので、動く度にガチャガチャと音が鳴り、ため息が出た。
ー でも、あと1日。
明日には麻衣を夫に返すと聞いていたので、もう1日頑張れば、あの痴漢に遭う前の元の生活に戻れると信じて、時間を過ごそうと思った。
翌朝、デボラが朝食と体重計を運んで来た。
「体重は食事の前? それとも後に測る?」
「後でいいです」
「そう。じゃあ、後で測るわ」
デボラは、そう言い残すと部屋を出て行った。
食事は軽いものだった。
麻衣には、あまり食欲もなかったので、オレンジジュースとサラダだけを口に入れた。
計測して驚いたのは、体重が4キロも減っていたことだった。
これなら、ほぼ目標達成だ。
もう、ここへ通わないと言っても、夫も納得するのに違いないと思った。
食後に、シャワーを浴びたいと申し出ると、デボラがあっさりと承諾し、特に次のスケジュールのために急いではいないのだとわかった。
部屋に戻ると、ちゃんとベッドメイクがされていて、清潔に対する心配りだけは一流だと思った。
昨夜から麻衣の私物は、ここに運び込まれていたので、念のためにアリアの連絡先の書かれた紙があることを確かめた。
もしも、また隠し撮りされていたら困るので、バッグの中にあることを手で確認するのに留めた。
化粧品を使ったところで谷口がやって来た。
「麻衣さん、おはようございます。食事はどうでしたか?」
「おいしくいただきました」
「体重が減っていたそうで、おめでとうございます」
「ありがとうございます」
寂しかった。
麻衣は、自分がなぜここにいなければならないのかを疑問に思い始めていた。
そして寂しさは、夫が出張で離れているせいではなく、アリアが側にいないからだと気が付いていた。
アリアと一緒に眠ったのは、まだ昨夜のことで、たった一日しか過ぎてはいない。
もしかすると彼女は転勤になってしまい、もう一緒の時間を過ごせないのかと思うと切なかった。
部屋は午睡の時に使ったのと同じ部屋だった。
テレビをつける。
中身を観る気はなかったが、タイトルだけ確認をすると、今日の分もビデオは追加されていることがわかった。
麻衣の首輪には鎖が取り付けられていたので、動く度にガチャガチャと音が鳴り、ため息が出た。
ー でも、あと1日。
明日には麻衣を夫に返すと聞いていたので、もう1日頑張れば、あの痴漢に遭う前の元の生活に戻れると信じて、時間を過ごそうと思った。
翌朝、デボラが朝食と体重計を運んで来た。
「体重は食事の前? それとも後に測る?」
「後でいいです」
「そう。じゃあ、後で測るわ」
デボラは、そう言い残すと部屋を出て行った。
食事は軽いものだった。
麻衣には、あまり食欲もなかったので、オレンジジュースとサラダだけを口に入れた。
計測して驚いたのは、体重が4キロも減っていたことだった。
これなら、ほぼ目標達成だ。
もう、ここへ通わないと言っても、夫も納得するのに違いないと思った。
食後に、シャワーを浴びたいと申し出ると、デボラがあっさりと承諾し、特に次のスケジュールのために急いではいないのだとわかった。
部屋に戻ると、ちゃんとベッドメイクがされていて、清潔に対する心配りだけは一流だと思った。
昨夜から麻衣の私物は、ここに運び込まれていたので、念のためにアリアの連絡先の書かれた紙があることを確かめた。
もしも、また隠し撮りされていたら困るので、バッグの中にあることを手で確認するのに留めた。
化粧品を使ったところで谷口がやって来た。
「麻衣さん、おはようございます。食事はどうでしたか?」
「おいしくいただきました」
「体重が減っていたそうで、おめでとうございます」
「ありがとうございます」