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第8章 悟の出張

　そう言うと、アナルに指を挿し入れ、麻衣の壺の中のバイブと連動させた。


「はぁ……ん、はぁーん、あ、あぁーん……」

「イッてもいいですよ。気持ちいいでしょう？」

「あ、あ、イッちゃいます、あぁー……ん」

「上手ですね。では、もう一回、頑張りましょう」

「あーっ、も、もうムリです」

「そんなことはありませんよ。中でも上手にイけるようになって来ましたから」

「だ、ダメなんです。私、汚しちゃうから……はぁーん」

「潮ですか？　それを待っているんですよ。ほら、どうぞ」


　谷口は、中にこだわり、少しも容赦なく責めた。


「い、イヤーーーん、あぁ……」


　次の瞬間、麻衣は、潮を吹いて痙攣していた。


「いいでしょう」


　谷口は、バイブを中に入れたまま、ショーツを履かせ、足を閉じて太腿を縄で縛った。


「あぁ……、うぅ……」


　続いて、手首も後ろ手に縛ると、うつ伏せにし、お尻を高く上げると、鞭で叩き始める。

　強い痛みではなく、ちょうど快感に沿うような痛みが響いた。


「そうですよ。ほら、感じるでしょう？　これが本当のあなたなのです」

「あぁ……ん、あぁ…」

「ここにも小さいのをあげましょう」


　そう言って、アナルに小さなボールを入れた。


「どうですか？　いいでしょう？」

「はぁ、あぁーん……」

「心配しましたが、大丈夫なようですね」


　そう言うと、谷口はバイブを止めた。

　麻衣は口元からもだらしなく濡らしていることに気がつくと、被虐的な責めに感じてしまう自分を、もう否定することはできなかった。


「午後からは、ドクターが来ますから、綺麗にしてご主人の元へ帰れますよ」

「はい……」


　麻衣は、夫に責められて悦ぶ自分を思い描いていた。

　奇妙な気持ちだった。

　夫に与えられる責めや谷口の手で感じたのも本当だけれど、アリアの柔らかい手で感じていたのも本当なのだ。

　そのどちらか一方を選ぶということはできない気がした。

　でも、夫に従って生きて来たこれまで通り、やはり夫にどこまでもついて行く生き方の方が正しいのではないかと思う。

　ここでのことは、麻衣にとって試練が多すぎたが、この先があるのなら、夫の手で開花されたいと思った。