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幸せの欠片
第2章 痴漢
 体の中に、これまで知らなかった炎のような何かが灯った気がした。

 こうまでされると、この激しい陵辱を周囲の乗客に見られたくなかった。

 顔を見られないよう必死に俯くが、嫌だと思う心とは別に、体中からいろんな感覚が責め立てて来る。

 特にお尻の蕾をキュッキュッと押されている感覚は、これまで知らないということもあるが、その内に指が中の方に滑り込んでしまわないかと思うと冷や汗が出た。

 男達のもたらす刺激の強さに、だんだん電車の中という状況さえ忘れそうになるくらい夢中になりそうだった。

 次の駅を過ぎた時、乳首や花芯をつまむ指が止まって離れると、後ろから激しく突いていた男の体がゆっくりと出て行った。

 めくり上げられていたワンピースの裾が、ふわっと下に落ちて下半身を隠す。

「動くと怪我をするぞ」 

 そう言ったのは、最初に後ろにいた男で、両手を縛っていた紐をハサミを使って外した。

「騒がずにじっとしているんだ」 
 
 うなだれたように下を向いたまま、こくんと頷くと、到着のアナウンスが流れ、すぐ横の扉が開いた。

 この駅では、乗り換えの乗客たちがたくさん降車し、乗車して来るので、扉側に留まることは出来ない。

 男達と一緒に雪崩のようにホームに押し出されると、そのまま電車から少し離れた位置まで流された。

 周囲を見てみる。

 サラリーマン風の男達はいたけれど、スーツの色が違ったし、女性の姿も見えた。

 階段かエスカレーター、或いはエレベーターの方へ向かったのか、と目で追ってみたが、スーツ姿のサラリーマンはたくさんいて、顔を知らないのでは特定もできない。

 ― とにかく、もう、いないんだ・・・・・・。

 男達は呆気なく去っていて、周囲の乗客にとっては何もなかった日常がそこにある、という感じがした。

 何だか狐につままれたような感じとは、こういうことを言うのかもしれない。

 次に、自分の服装を確かめる。

 ワンピースには、目立つようなシワも汚れもなかった。

 だけど、中に穿いているストッキングは破られ、ショーツはクロッチ部分で切断されている。そして、花芯はまだ気だるい熱を帯びていたし、蜜壷からあふれ出たものが大腿を汚していた。

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