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第10章 隼人と要、菫さんにカミングアウト

真は、一気に話を続けた。

「父親の命がもう永くないと分かってからは、

家を売って、お金だけとって、

他の人と再婚するつもりだったみたいです。

高梨聖也の力作ですから、高く売れたと思います。

勿論、彩香を置いて行くつもりだったようです。

彩香は、デザイン系の大学に進学する予定だった。

でも、母親にクリエイティブな仕事をする

体型じゃないと言われ続け、

諦めて、うちの会社で経理事務の

仕事をしていました。

趣味で、デザインを描いていたのを

私が見つけたんです。

どうして、こんなに才能があるのに、

それを伸ばそうとしないのか不思議でした。

色々話していて、母親に植え付けられた

ネガティブな考え方が、

彼女を苦しめている事が分かりました。

何度も言いました。『彩香には、才能がある』

何度も何度も良い続け、結果を見せて、

自信を持てるようになってきました。」