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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第28章 BLUE BIRD
『んしょ・・・っ、んっ』
少しだけ…と言ったのに
マリアは車椅子のタイヤをはなさない
既に汗だくだった
『マリア・・・もう今日はやめよう』
『まずは腕を鍛えないとかな?』
『ほら……そろそろ病室戻ろうぜ?』
『もうちょっとだけ・・・』
『マリア・・・っ!』
『ぁ・・・っ』
俺はマリアの手を
既に…擦り切れて
マメまで出来ている小さな手を
無理矢理に車椅子からはなしてしまった
『なんでそんなに…無茶苦茶するんだよ!?
そんな・・・焦るなよ!!』
危なっかしい…それもある
無茶してほしくない
焦る必要なんかない
もしくは…ズルいことに
俺がそんな痛々しいマリアを
見ているのが辛い…?
そんな腹の内だったかもしれない
マリアが…無理矢理外された手を
そっと、自分の膝に乗せた
そして俺は…
マリアの、もうひとつの本音
その真意や現実を
知ることになった
『なんで・・・?…って』
『や・・・、だから
ケガも治らないうちに…危ないだろ』
『うん・・・だけど』
『・・・』
『動けるなら……何か、やらないと』
『だから…それは、ケガの回復して
医者の指導とか…始まってからでも…遅くは』
『別に……信じていれば叶う、とか
頑張ったから…報われる、なんて
いつも、いつまでも…ただ前向き
ただ希望や夢を見てる・・・なんて
そんなんじゃないよ…』
『・・・っ』
『治らないなら……治らないなりに
自分の事は自分で出来るように
訓練するなり…方法探して慣れないと
〃自分で・・・生きていかないと〃だから』
マリアの本音
そこにあるのは
前向きさや、希望だけではない
焦りや不安
孤独感が…マリアを
否応なしに突き動かしていたんだ
俺は、またしても無責任に
マリアに無神経な事を言っていた
少しだけ…と言ったのに
マリアは車椅子のタイヤをはなさない
既に汗だくだった
『マリア・・・もう今日はやめよう』
『まずは腕を鍛えないとかな?』
『ほら……そろそろ病室戻ろうぜ?』
『もうちょっとだけ・・・』
『マリア・・・っ!』
『ぁ・・・っ』
俺はマリアの手を
既に…擦り切れて
マメまで出来ている小さな手を
無理矢理に車椅子からはなしてしまった
『なんでそんなに…無茶苦茶するんだよ!?
そんな・・・焦るなよ!!』
危なっかしい…それもある
無茶してほしくない
焦る必要なんかない
もしくは…ズルいことに
俺がそんな痛々しいマリアを
見ているのが辛い…?
そんな腹の内だったかもしれない
マリアが…無理矢理外された手を
そっと、自分の膝に乗せた
そして俺は…
マリアの、もうひとつの本音
その真意や現実を
知ることになった
『なんで・・・?…って』
『や・・・、だから
ケガも治らないうちに…危ないだろ』
『うん・・・だけど』
『・・・』
『動けるなら……何か、やらないと』
『だから…それは、ケガの回復して
医者の指導とか…始まってからでも…遅くは』
『別に……信じていれば叶う、とか
頑張ったから…報われる、なんて
いつも、いつまでも…ただ前向き
ただ希望や夢を見てる・・・なんて
そんなんじゃないよ…』
『・・・っ』
『治らないなら……治らないなりに
自分の事は自分で出来るように
訓練するなり…方法探して慣れないと
〃自分で・・・生きていかないと〃だから』
マリアの本音
そこにあるのは
前向きさや、希望だけではない
焦りや不安
孤独感が…マリアを
否応なしに突き動かしていたんだ
俺は、またしても無責任に
マリアに無神経な事を言っていた