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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第28章 BLUE BIRD
『和樹くん…気持ちは本当
まりあにとっても有難いがね
君にも仕事や、生活があるだろう
君は昔から、賢くて冷静だ
まりあが……なぜ私達に連絡したか
それは君にもわかるだろう?
君に対する…罪悪感やうしろめたさも…』
『そんなことは……僕は』
『ちょっと…お父さん?
二人とも、大きな声を出して
まりあに聞こえるわよ…
お父さん?
何も今・・・まりあの前で
そんな話をしなくても
和樹くんにも…押し掛けて早々
そんな・・・』
『お義母さん……いえ、僕は』
『和樹くん…謝って済むことじゃないけど
娘がはしたないことを、許されないことを
本当に…ごめんなさいね』
見た目は中々外人…喋ると完全日本人
そんなマリアのお母さんが
深々と頭を下げた
『お義母さん……やめて下さい
お顔を上げて下さい
僕は…まりあが
元気になってくれればそれで』
マリアの両親に対しての意味じゃないが
俺にとっての
非常にムダなやり取りが続いていた
だけど…それに気づいていたのは
俺だけじゃなかったってこと
俺は…後に知る
『あぁ…それもそうだがね
だからこそ…ダラダラ話をするより
どうせ避けられない話だ
早い所、話をして
和樹くんの負担も何もかも
軽くして失礼するよ』
『お義父さん…』
『そう言う事だから…和樹くん
まりあの身の回りの事は
今日から我々が面倒を見るから
君は、君のやるべきことに
集中してくれ…
まずは、それが一番スムーズに
話が進むだろう』
『お義父さん……それは…っ』
『退院出来る目処が立ったら、まりあは
娘は…一度、実家(うち)に
連れて帰ろう・・・』
〃・・・〃
ドク……ン
俺の心臓が…大きく波打った
それは…一番良い選択
マリアにとって、安心で安全で
そもそも、その予定だったこと
だけど・・・〃あの時〃とは
状況が違う
それも然りだが
いざ、その現実が
目の前に迫ってるのを実感すると
何故だか俺は
とてつもない…絶望感のような感情に
まとわりつかれていた
まりあにとっても有難いがね
君にも仕事や、生活があるだろう
君は昔から、賢くて冷静だ
まりあが……なぜ私達に連絡したか
それは君にもわかるだろう?
君に対する…罪悪感やうしろめたさも…』
『そんなことは……僕は』
『ちょっと…お父さん?
二人とも、大きな声を出して
まりあに聞こえるわよ…
お父さん?
何も今・・・まりあの前で
そんな話をしなくても
和樹くんにも…押し掛けて早々
そんな・・・』
『お義母さん……いえ、僕は』
『和樹くん…謝って済むことじゃないけど
娘がはしたないことを、許されないことを
本当に…ごめんなさいね』
見た目は中々外人…喋ると完全日本人
そんなマリアのお母さんが
深々と頭を下げた
『お義母さん……やめて下さい
お顔を上げて下さい
僕は…まりあが
元気になってくれればそれで』
マリアの両親に対しての意味じゃないが
俺にとっての
非常にムダなやり取りが続いていた
だけど…それに気づいていたのは
俺だけじゃなかったってこと
俺は…後に知る
『あぁ…それもそうだがね
だからこそ…ダラダラ話をするより
どうせ避けられない話だ
早い所、話をして
和樹くんの負担も何もかも
軽くして失礼するよ』
『お義父さん…』
『そう言う事だから…和樹くん
まりあの身の回りの事は
今日から我々が面倒を見るから
君は、君のやるべきことに
集中してくれ…
まずは、それが一番スムーズに
話が進むだろう』
『お義父さん……それは…っ』
『退院出来る目処が立ったら、まりあは
娘は…一度、実家(うち)に
連れて帰ろう・・・』
〃・・・〃
ドク……ン
俺の心臓が…大きく波打った
それは…一番良い選択
マリアにとって、安心で安全で
そもそも、その予定だったこと
だけど・・・〃あの時〃とは
状況が違う
それも然りだが
いざ、その現実が
目の前に迫ってるのを実感すると
何故だか俺は
とてつもない…絶望感のような感情に
まとわりつかれていた