この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第28章 BLUE BIRD
『お義父さん…!待って下さい』
『和樹くん…冷静になりなさい
綺麗事では済まない事は
君にもわかるはずだ
まりあは君に苦難を強いると思ったから
私達に連絡を寄越したんだろう』
『僕は…仕事も、まりあ の世話も
ちゃんとやれる自信があります…!』
『ハハ・・・そうか、さすがだね君は
〃厄介払い〃が出来て、助かった…
なんて言われたら
どうしようかと思って来てはみたがね』
『は……?』
『・・・』
〃・・・え?〃
『和樹くん…すまないが
この際だから…話してしまうとしよう』
『……!?』
『全て…聞いている、と
言っただろう・・・?』
『~~っ……!?』
『君は…一度も…一言も
自分からは…何も話してはくれなかったね』
『……』
『まりあ は……一度もないんだ』
『え……』
『自分から…親に泣きついた事なんて
親に泣き言を言った事なんて
まりあは一度としてなかったんだ』
何を……言うんだろう?
わかるようで、わからない
読めないその胸中を
次の言葉を心待ちにするように
俺は聞き入っていた
『和樹くん……本当は
何があったんだい?』
『……!?』
『君の口から……話すことは
本当に、何もないのかい?』
『まりあは……何を』
『まりあは…何も言わなかったよ
ただ、ケガをして歩けないから
手を貸してほしい、と
それ以上の事を聞いても…
どれだけ聞いても話さないから
ずっと側にいてくれた君になら
一番話が聞けるかと思ったんだ』
『~~…っ』
『すまないね和樹くん
まどろっこしい事ばかり
しかしね……こればかりは
〃親の勘〃というものでね
そう説明がうまく成り立たないんだ』
親の勘・・・
理屈のない・・・不思議な力
ヤツが…自分の親をも騙しきる
完璧なお面を被っても
親の目は…
マリアの両親(おや)の目までは
誤魔化せない
俺は、そんな〃親の力〃を
目の当たりにする
『和樹くん…冷静になりなさい
綺麗事では済まない事は
君にもわかるはずだ
まりあは君に苦難を強いると思ったから
私達に連絡を寄越したんだろう』
『僕は…仕事も、まりあ の世話も
ちゃんとやれる自信があります…!』
『ハハ・・・そうか、さすがだね君は
〃厄介払い〃が出来て、助かった…
なんて言われたら
どうしようかと思って来てはみたがね』
『は……?』
『・・・』
〃・・・え?〃
『和樹くん…すまないが
この際だから…話してしまうとしよう』
『……!?』
『全て…聞いている、と
言っただろう・・・?』
『~~っ……!?』
『君は…一度も…一言も
自分からは…何も話してはくれなかったね』
『……』
『まりあ は……一度もないんだ』
『え……』
『自分から…親に泣きついた事なんて
親に泣き言を言った事なんて
まりあは一度としてなかったんだ』
何を……言うんだろう?
わかるようで、わからない
読めないその胸中を
次の言葉を心待ちにするように
俺は聞き入っていた
『和樹くん……本当は
何があったんだい?』
『……!?』
『君の口から……話すことは
本当に、何もないのかい?』
『まりあは……何を』
『まりあは…何も言わなかったよ
ただ、ケガをして歩けないから
手を貸してほしい、と
それ以上の事を聞いても…
どれだけ聞いても話さないから
ずっと側にいてくれた君になら
一番話が聞けるかと思ったんだ』
『~~…っ』
『すまないね和樹くん
まどろっこしい事ばかり
しかしね……こればかりは
〃親の勘〃というものでね
そう説明がうまく成り立たないんだ』
親の勘・・・
理屈のない・・・不思議な力
ヤツが…自分の親をも騙しきる
完璧なお面を被っても
親の目は…
マリアの両親(おや)の目までは
誤魔化せない
俺は、そんな〃親の力〃を
目の当たりにする