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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第28章 BLUE BIRD
『そんな・・・現状をみたら

とてもじゃないが

君に…任せられないだろう』








黙りこくったヤツを置いて

マリアのお父さんは話を続けた





真実(すべて)を知った親の

当然の言葉だと思う








『ぉ……お義父さん……俺は』








『和樹くん……何も今すぐ決断を
とは言っていないよ

君には君の言い分もあれば
君の事情だってあっただろう

ただ君が…さっき、まりあに対して
語った気持ちに嘘がないのなら

君自身の為にも、二人のためにも
今後の事もよく考えて

君自身の答えが出たら
いつでも…私に連絡してくれ』




『……~~』





『君は…将来ある身だろう
私の娘〃なんか〃とはちがって

自分の事を一番に考えなさい
娘もそれを望んでいた』





『え……?』





『まりあは…〃これ〃は

処分してほしい、と…手紙を添えていた』






マリアのお父さんは
マリアの日記を軽くかざして
内ポケットにしまった








『まりあの気持ちは…わかるね?』






『~~~~…』






マリアは…ヤツを訴えようとか
そんな気は、なかった…そういうことだ

本当なら、両親にも明かさず
黙って日記を…処分する気だったのか…



『君は…君の将来なり
今後の人間としての在り方も考えて

その上で…娘とやり直すのか
別の道を選ぶのか

まず、君自身が答えを出してくれ
話は…それからだろう』





『……はい』



ヤツは…初めてお父さんに
まともに返事をした






『だから・・・今は

娘は…うちで〃預かる〃』







『……』







『まりあ は・・・連れて帰る』







『お義父さん…』








『もっと単純に言おう

娘を…まりあ を、今は

せめて今は…休ませてやりたい』






『……』






『出来れば……心も回復するまで

でないのなら…せめて

せめて・・・体だけでも

休ませてやりたいんだ……』











俺・・・泣くの堪えんのが

精一杯だった
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