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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第28章 BLUE BIRD
ようやく直視した
マリアのお父さんの表情(カオ)
どことなく…マリアに似た雰囲気
柔らかい表情
だけど・・・その瞳は
その瞳の奥には
娘の……名誉を傷つけ
身体にまで取り返しのつかない
傷をつけた目の前の男に対する
深い……大きな怒りが滲んでいた
娘の幸せを願い
その未来を託したにも関わらず
大切な娘に幸せとは程遠い
惨い仕打ちをして来た娘婿(オトコ)に対する
底知れぬ怒りと
それに加えて、更に娘から
大切なものを奪い去った俺に対する怒り
そこには…果たして
いかばかりの差でさえも、あるだろうか…
怒りに震え、俺に罵声を浴びせ
ブン殴ってもらった方が
うんと気が楽になる
だけど、そんなこともしない
怒りや…悲しみが深すぎる
そんなマリアのお父さんを前に
俺は死にたいくらいに
胸が押し潰されそうだった
『申し訳ありません・・・っ』
『よしてくれ・・・』
『すみません・・・っ』
『君が・・・どれだけ苦しんでも
娘は・・・救われないだろう』
『っ・・・』
正論…現実過ぎる現実が胸に刺さる
謝って…楽になるのは、俺だけ
謝ったからって
マリアにも…両親にも
救いもなにもないんだから
『君の話は…娘から聞いている
娘には娘自身の…責任がある
だから…何も、君だけを責めようなどと
思ってはいないよ』
『・・・?』
『〃自分が悪い〃・・・
〃全て自分が悪いんだ〃・・・』
『ぇ・・・』
『娘も・・・そう言い続けていた
今の・・・君と同じようにね』
『・・・っ』
〃マリア・・・〃
『いけない事はいけない事だ・・・
〃自分の娘に限って~〃…なんて
親のエゴで庇いだてする事も
ただ鵜呑みに…甘い顔をして
許してやることも出来ない
娘自身が過ちを犯した事に
違いはない
そこに・・・例え事情があったとしても』
『・・・』
マリアのお父さんの表情(カオ)
どことなく…マリアに似た雰囲気
柔らかい表情
だけど・・・その瞳は
その瞳の奥には
娘の……名誉を傷つけ
身体にまで取り返しのつかない
傷をつけた目の前の男に対する
深い……大きな怒りが滲んでいた
娘の幸せを願い
その未来を託したにも関わらず
大切な娘に幸せとは程遠い
惨い仕打ちをして来た娘婿(オトコ)に対する
底知れぬ怒りと
それに加えて、更に娘から
大切なものを奪い去った俺に対する怒り
そこには…果たして
いかばかりの差でさえも、あるだろうか…
怒りに震え、俺に罵声を浴びせ
ブン殴ってもらった方が
うんと気が楽になる
だけど、そんなこともしない
怒りや…悲しみが深すぎる
そんなマリアのお父さんを前に
俺は死にたいくらいに
胸が押し潰されそうだった
『申し訳ありません・・・っ』
『よしてくれ・・・』
『すみません・・・っ』
『君が・・・どれだけ苦しんでも
娘は・・・救われないだろう』
『っ・・・』
正論…現実過ぎる現実が胸に刺さる
謝って…楽になるのは、俺だけ
謝ったからって
マリアにも…両親にも
救いもなにもないんだから
『君の話は…娘から聞いている
娘には娘自身の…責任がある
だから…何も、君だけを責めようなどと
思ってはいないよ』
『・・・?』
『〃自分が悪い〃・・・
〃全て自分が悪いんだ〃・・・』
『ぇ・・・』
『娘も・・・そう言い続けていた
今の・・・君と同じようにね』
『・・・っ』
〃マリア・・・〃
『いけない事はいけない事だ・・・
〃自分の娘に限って~〃…なんて
親のエゴで庇いだてする事も
ただ鵜呑みに…甘い顔をして
許してやることも出来ない
娘自身が過ちを犯した事に
違いはない
そこに・・・例え事情があったとしても』
『・・・』