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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第28章 BLUE BIRD
『マシロ・・・ちょっと飛ばしすぎだぞ』





『〃とばすよ〃って言ったじゃん(笑)』





妹の運転する車で
俺は空港へと急いでいた






『事故るなよ?…運転・・・代わるぜ』





『ぷっ…今の上の空な

お兄ちゃんがするくらいなら

暴走車のが安全運転だよ(笑)大丈夫』







『っ…まだまだ小せぇガキ残して

死んだなんて言ってらんねぇんだぞ?!

マシロお前には、守るべき…』







『お兄ちゃん・・・変わったね♪』







『は…?!……』







『なんか・・・〃家庭人〃ぽくなった』







『・・・』







『ぁ…いや、変な意味じゃ
皮肉じゃないよ?ごめん忘れて…

~~なんか、誰かを…家族を守る
優しさと強さが…融合してる
・・・って感じ?(笑)』







『ワケわかんねぇこと言ってんじゃねぇよ』







『ふふ・・・死んでも事故んないから…

安心してて

間に合わせるから・・・絶対』








『マシロ・・・お前さ

なんで・・・そこまで…』











『ふふっ…さぁね?理由なんかないよ

家族だけど…あたしはお母さん達とは
また立場が違う

ってのもあるけど
う~~ん・・・それは』







『・・・??』








『一度…たった一度だけど

あたしが単純に
お兄ちゃんとあの女性(ひと)を

見ていたからじゃないかな』







『ぇ・・・』







『二人が一緒にいる所を

二人の姿を・・・

見ていたからじゃないかな』







『・・・』







『知らずに見たら……その事実や

体裁がなければ、ただの

どこにでもいるカップルじゃん?』





『・・・』






『二人の事は二人にしかわからない
そりゃ…許されない事であってもさ

表面やレッテル…それだけで見て
その事実だけでイコール悪いのかな?って

もしや二人にしか
わからない事情があるかも…

その人を見たら…違うのにって
なんか・・・上手く言えないけどさ』






妹は…俺に似ず

出来た妹に成長していた

俺はそんな風に思った








キキィッ……!!!








『あちゃー・・・ハマっちゃったかぁ』




空港を目前に車が停車した
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