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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第28章 BLUE BIRD
『マサヒロ・・・荷物重いでしょ

ごめんね・・・あんたにまで迷惑かけて』





『あ~~?飛行機、乗ったら寝るから』






『ごめんね・・・貴重なお休みなのに』







『ごめんごめん、うるせぇし
聞き飽きたっつーの

親父が…バリアフリーとか
家色々いじってるから

安心して住めってさ・・・』






『ごめん・・・ぁ

ありがとう・・・ふふふ』








『じゃぁ出世払いしろよ?姉貴~』




『ふふ・・・うん!頑張るね!』






なんだかんだで

和やかな雰囲気のマリアと弟



俺・・・そんな様子に

やっと少し安心してた






『マサヒロ?まだ少し時間あるよね?』



『トイレ行っといたら?』




『あ~・・・うん、そうだね

ごめん・・・ちょっといってくる』





『ぶつかると危ないぜ?

前まで押してってやるよ』






『ぁ、ありがとう・・・でも大丈夫

すぐそこだから……行ってくるね』





『おぉ・・・』




車椅子から手をはなして
待ち合いの長椅子に弟が腰かけたのを見て

マリアはゆっくり、ゆっくり
車椅子を動かして離れた



少し・・・動かすの慣れてきたじゃねぇか




なんて、柱の影から見てた俺のそばに



マリアが・・・




〃え・・・?〃





トイレ・・・こっちじゃなさそうだぜ?








マリアが止まったのは


俺のそばの


備え付けてある公衆電話の前



『???』





〃マリア・・・〃






マリアが受話器を手にして

ポケットから何かメモを取り出した





カチカチ・・・カチカチカチカチ・・・カチ





メモを見て、ダイヤルを押し終えると

マリアは

その紙切れを・・・眺めて

ゴミ箱に入れていた









マリア・・・どこに・・・






なんて思う頃に



俺のポケットが震える





〃え・・・?〃










ヴー・・・ヴー・・・




俺のスマホの着信は



公衆電話から・・・


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