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第29章 果たされぬ・・・約束

『確かに・・・そうですね

女性だけが悪いなんて道理は

どこにもない』




俺は腹に沸き起こったマグマを
誤魔化すか…静めるかのように


罪悪感も、悪びれる様子のカケラもない
遊び人・・・失敬


人妻サンの話に答えた






別に…俺に

この女性(ひと)の生き方を
とやかく言う資格なんかなければ

自分の意見を押し付けるとか
どうのこうの意見する気もない


自分と考えが違う
感じ方や・・・価値観が違うからって？

ちょっと大衆(ひと)と
違うことをするからって？

わざわざ相手を否定したり
言葉汚く罵ったり？


言わずとも良いことを言って
不要に相手を傷つける必要なんかねぇよ


そういうこと程…俺が〃暇人〃って
言いたくなることはねぇんだよな



って言う俺の…元の性格でもあるけどさ






目の前の…〃自由な生き方〃してる

一人の女性(ひと)を

わざわざ罵倒したり、軽蔑する

そんな必要もつもりも

どこにもない





そうなんだけどさ、俺…








「ふふふ…そうよ♪・・・
お互い自由で…楽しく生きる

顔を合わせれば、いがみ合い
憎み合い、貶し合い

そんな無駄な労力ってないと思うわ私」








『確かにね・・・』







「それにね・・・浮気だ不倫だって

世の中が少し大げさなのよ」








『・・・』





俺は…なんか知らねぇけど

どうしても






「割り切って、わきまえて
何より、わかってやっている

〃クリーンなオトナのお付き合い〃・・・
それだけなのに

多少の浮気だ不倫だ、なんて
〃誰だって〃しているものよ」








目の前にいる…〃悪い遊び〃を覚えた

〃盛りのついたオバサン〃がさ







「さ…、つまらないハナシは

これくらいにしましょ♪」







これこそが・・・まさに

世間が昔から軽蔑し

世の中から忌み嫌われる

本当の〃ふしだらな女〃の像だ・・・と

思えてならなくて








『・・・』



俺の腹に

なんとも抑えられない…嫌悪感

言葉が浮かんで来るんだ













誰が……世間が何て言ったって


〃同じ〃ハズが・・・あるかよ













〃一緒に・・・すんじゃねぇよ〃