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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第7章 守りたい・・・
『いつもごめんなさい。ありがとう』

『うん。じゃ、気をつけてな』


マリアが俺の家を後にしようとする。


毎日毎日、頻繁に会うわけでもない…
どこにも逃げ場がないより…マシだ。


そう言い聞かせて
俺は自分の中に感じた
自分の不謹慎な気持ちを掻き消した。


玄関までマリアを見送る。



『それじゃ』

『二度とくんなよ?(笑)』



合言葉みたいに・・・おまじないみたいに
これだけは言ってわかれてる。

〃またね〃とだけは

お互いに言わない。




『あ・・・待って』

『・・・っ』


出ていこうとするマリアの
腕を掴んで止めた。



『もう…痛くないから』


マリアは手当てしてやっても
余程でなければ
嫌がってすぐに…
帰る頃には外してしまう。


ガーゼや絆創膏が
逆に目立って嫌みたいだ。






『・・・』


『ごめんね?せっかく・・・』




俺・・・何考えてたのか

この時さ



『・・・ゆぅちゃん?』



どーーーーにも・・・

やりきれない気持ちになってさ




『・・・ぃ…た。…???』




ぎゅう・・・・・・





『ゆぅちゃん・・・痛い』




















『・・・・・・帰るなよ』
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