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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第7章 守りたい・・・
マリアからの連絡はない。

それは良いことなんだ。

良いことの・・・はずなんだ。


連絡がないのは・・・無事な証拠。

そう信じた…信じたかった。


でも…ちがうんだよな。

〃来なくて大丈夫になった〃
ワケじゃない。

マリアは振り切るように
「もう来ない」と言って去ったんだ。

俺が余計なこと言っちまったから。







それが頭から離れない俺は

・・・ネットに世話になる日々。



離婚問題。


DV救済…。




時間を見つけては


検索・・・検索・・・




あ、ヤベ


今・・・仕事中。




『お!私用のパソコン無断使用!
発見~~~~!!!』





げっ・・・ミユ



うるせぇのにつかまったぜ。





『~シノく~ん?またサボリ?
課長にチクるぞ~~?
エッチなやつみてたなぁ~~?(笑)』



『…っあ!…おいっ!』





『・・・?』




俺は慌ててPCをシャットダウンした。





『シノくんさぁ…極秘結婚でもしてた?
でもってもう離婚?』


『ちげぇよっ!』





『…誰か悩んでる友達でもいるの?』

『~~…』




『離婚離婚離婚…~別れるなら
なぁんで結婚すんのよね~~?
人騒がせだよぉ(笑)』


『・・・お前さ』




『だってせっかく結婚するのにさぁ』


『・・・そりゃぁ、誰だって
幸せになる…って思ってするんじゃん?

なんらかの…事情があったり
予期せぬことで…そうなるんじゃねぇの?

人・・・それぞれさ』




『シノくん?…どうしたの?』

『別に…』




『…~?』

『逆にさ・・・ミユちゃんどうして
結婚したいの?…なんのために?』





『え?…だって、それは』


『仕事も辞めれるし、楽だし?
昼間はのんびり昼寝したり?
優雅にランチなんかも楽しめるし?』





『ぁのさ…シノ』


『もしも…働きたくても
働きに出れなかったら…

俺らみたいにさ、当たり前に
愚痴こぼしたり?

飲みに行って息抜きしたり
そういう自由がなかったら

あるいは…配偶者から…
暴力なんか受けたら?

ミユちゃんどうするよ?』



なに…ムキになってんだ、俺。
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