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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第7章 守りたい・・・
マリアの泣き声が止んで

しばらくした頃


俺は…マリアをそっとはなして

ようやくその顔を直視した。



とても実年齢には見えない
幼顔が・・・アザだらけになって

腫れ上がっていた。


何か投げられたのか
オデコには大きな傷…

目の近くにもアザが出来て
まばたきするのが…少し重そうだ。



・・・。




思わず、その頬を撫でようと
手を触れると

マリアはうつむいてしまった。






『マリア・・・?』

『・・・』





『マリア…ちょっと聞いて?』

『・・・』












『マリア・・・警察に行こう?』









びくんっ・・・





やっと少し落ち着いてきたマリアが
俺の一言で震え上がった。




わかってる・・・



マリアを安心させてやれる
言葉じゃないことは。







『マリア・・・』





『いや・・・』







『マリア…このままじゃ、いけねぇよ』






『いや・・・いや・・・』







『マリア・・・せめて、病院行こう?』








『いや・・・』






警察にしても病院にしても
行けば事情を聞かれる。





『ちょっと…出てくるな?』


『・・・っ』


マリアからはなれて
外出しようとすると


マリアが・・・俺の袖を掴んで
首を横に振った。



『ゃ・・・ないで』

『マリア…?』






『いかないで・・・』









マリアは再び
涙をポロポロとこぼして
俺を見上げていた。



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