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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第8章 ゆるされぬ想い・・・
『場所?…言ったらどうするの?
彼女は何も知らないよ。

連絡先?…それこそ迷惑になるじゃない。
彼女はカズキと面識もないんだから。

少しの間、カズキと離れたいの
帰ったらちゃんと話もする。

わがまま言ってごめんなさい
・・・それじゃ』






マリアは押しきって電話を切った。







『フゥ・・・』


『オツカレ・・・』




『ぁ、ケータイありがとう』


『うん。・・・マリア、カッコいいじゃん』





なんかダメ男を説得する
デキル女・・・って感じだったぜ?



『女優になれそうだな♪(笑)』

『・・・』



とりあえず・・・


とりあえずは


安全に…安心して休んだり

考える時間は出来たんだ。

それでいい。





『ぁの・・・ゆぅ…ユウトさん』

『・・・???なんだょイキナリ(笑)』





マリアが急にかしこまった。





『こ…この度は・・・』

『ぷっ・・・そゆのいらねぇから(笑)』




少し赤くなるマリアに
思わず吹き出した。





『俺がマリアを匿うからって
〃主従関係〃とかねぇからさ?』





『で・・・も』





『俺、お前のダンナじゃねーから♪(笑)』





『ぇ…』




あ・・・なに言ってる俺?






『なんかしてやるから、どうとか…
そういうの、少なくとも俺はねぇから』





何かを理由に…
マリアをしいたげたいワケじゃない

お前の…ダンナと、違って・・・。














『ゆぅちゃん・・・』





『いつも通りで(?)マリアらしくいろよ』





マリアらしさって…なんだろうな。

だけど俺は

せめて鳥かごの外では
マリアらしくいてほしい

自由でいてほしいと思った。








俺は

再び、家出妻を・・・保護した。




マリアの

シェルター生活がスタートする。
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