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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第10章 ダメかな・・・?
『・・・???…ゆぅちゃん…』





マリアは
俺の言ったことが

あまり理解出来ていないというように
目をシパシパさせていた。




『俺・・・マリアといたい』






『ゆぅちゃん…何を・・・』







『俺・・・マリアといたい。

友達として・・・じゃなくて

マリアが自由になれるまで
隣で支えたいって思うし

マリアが・・・本当の自由になった
その先も…一緒に歩いて行きたい』









マリアは益々まばたきが速くなり
困惑していく一方だった。






『ゆぅ・・・ちゃん

何言ってるの…私は・・・』







『わかってる・・・』






わかってる・・・


マリアには相手がいる。

例え気持ちのない相手であっても
マリアには、夫がいる。


その人以外の男と・・・
男女の間柄になどなってはならない


そういう相手が
マリアにはいる。







それも、相手は

別れることに
少なからず合意していない。



マリアは…〃自由の身〃ではないのだ。













『マリア・・・』




ギシ・・・



古い床がきしんで
音を立てる


俺は一歩・・・前に出て
マリアに歩み寄った。





『俺じゃ・・・ダメか?』







『・・・』









『マリア・・・』








・・・どんっ・・・っ







『・・・っ!』


『・・・・・・』







マリアがハッとしたように
俺を突き飛ばした。







『そんなの・・・できないよ』





『・・・』













『そんなこと・・・ダメだよ』





『・・・』










『ごめんなさい・・・』














フラれちまうのは・・・



想像に難しくなかったけどな。




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