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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第2章 家出・・・デスカ??
ゴシ・・・ゴシゴシ・・・



俺は震えるその子の背中を


黙ってさすった。





俺・・・着込んでても
「寒い、寒い」
言ってたのに



こいつ・・・どんだけだよ



て言うか・・・なんでだよ?






謎が謎を呼ぶ状態で
女の子の背中をさすり



寒さを紛らわしながら



少しして女の子に声をかけた。







『歩ける?』

『・・・』





『警察には行かない。言っただろ?』

『・・・』




『ここじゃ…外じゃ冷える一方だから。
このままだと本当に救急車呼ぶ羽目になる。
だから、とりあえず移動する。いい?』

『・・・ぅん』








やっと声を聞けた。





『とりあえず、体あたためて
事情はそれから聞くよ』

『・・・』





フゥ・・・


俺は


深く、ため息・・・


じゃなくて

深呼吸して

しゃがむ。






『乗って?』




裸足のまま、歩かせるなんて
気が引けるじゃねぇかよ?

しかも
こんなガタガタ凍えてるやつをさ。

おぶってやろうと背を向けた。



『ホラ・・・寒みぃんだから、早く』

『・・・いい。歩く・・・』




あぁ、そうですかい。





『ケッ・・・』

『ちがう。動かないと・・・寒い』






まぁ・・・そりゃそうだよな。





『ハァ……ホラ・・・』

『・・・?』




とりあえず靴を脱いで
そいつの目の前に並べた。




『何も履かないより・・・マシだろ?』

『で・・・も』





『あのさぁ・・・寒いんだよ。
早く行こうぜ?
俺が寒いんだから君なんか~・・・』

『ぅ・・・うん。ごめん・・・なさい』




・・・。



ったく・・・。


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