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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第14章 薄汚いこと・・・
俺はマリアを連れて自宅に帰った。


マリアと話したいこともある
でも、腫れ物にさわるみたいで嫌だけどさ
しばらくはそっとしといた方がいいよな…



まだ少し…呆然としているマリアを
休ませてると
あっという間に日が暮れた。



マリアは大きなケガはしなかった
それだけは本当に良かった。
ほんと…良かったのはそれだけだけど。




『マリア?何か食べるか?』

『・・・』



『久々に…カレー作ってやろぉか?』

『・・・』




俺の提案に、マリアがチラリと
俺を見上げて

少し…笑った。





『ゆぅちゃん…?』

『ん?』




『休日出勤…大変だったでしょ?』

『え?…あぁ、まぁな。でも別に』





『ごめんね?』

『ぇ…』





『行ったり来たりさせちゃって
大変だったでしょう?…今日は私が…~』






『・・・』






マリアは…意外にも


ニコニコ笑いながら
いつもの…

いつもと変わらないかのような様子で
俺に話してきた。






マリアは・・・さ





わりとしっかりしたヤツだよ?


のほほんとして
ちょいちょい抜けてるけど?


いざって時はさ
めちゃくちゃ芯の強いとこあったり


頑固っていうのか
そういう強いとこも持ってるぜ?



こんな成りしてても?
こんなんでも一応…
これでも仮にも俺より年上で?


おっとりしたヤツだけどさ
実際は精神的にだって
俺よりうんと年上で…


大人なヤツだと思うよ?





おっとりしてても

しっかりしてても




案外タフで生活能力高くてもさ…





でもさ・・・マリアは





『マリア・・・』


『・・・っ、~っ・・・』





それでもマリアは・・・






『っう…っ・・・ぅ…』







マリアは・・・女なんだよ。




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