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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第14章 薄汚いこと・・・
大家さんに失礼なことを聞いて
申し訳なかったが、俺は少しだけ
安心する。


マリアの情報が漏れたのは
噂ではなく
あの男が一人でやったこと。


ヤツはマリアのポストを漁っていた。


大家さんも、他の住人も
関わりもなければ何も知らない


何より・・・

マリアの旦那は無関係。


そう判断してもよさそうだったから。




『あ、それから…ドアは
自分が弁償しますから』



『…それなら、いいのよ。

彼女に非のあることでもなければ
ここでのトラブルは、どうあれ
私の責任ですからね。

それを助けたあなたにも非はないでしょう?
むしろ、ドアひとつで…

もっと…もっと大変なことになる前に
マリアちゃんが助かって良かった

あなたも…ケガはない?』









・・・なんて良い人だよ。

俺はおばさんに黙って頭を下げるしか
出来なかった。



おばさんは

今後の事は出来る限りの対応を
しっかりとする、
そのために少し時間をもらいたい

と俺に言って
隣の男を訪ねて行った。







『マリア・・・』



俺はマリアの部屋に戻って
膝を抱えて座ってるマリアに
声をかけた。






『マリア・・・ここ…引っ越すか?』



『・・・』





『また、ちと…しんどいだろうけどさ
俺、手伝うし?なんとかなると思うからさ

…けど、落ち着いてからゆっくり、な?

それまでは…ひとまず俺の家に行こう?』




マリアを説得して
最小限の荷物をまとめる。


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