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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第14章 薄汚いこと・・・
『お前は…
誰とでもこうするんだろう…って

そんなことは…言わせておけばいい
そう思ってるの

自分を正当化するつもりもないし
許してもらおうとも

誰かに…誰に理解してもらおうとも
思わない・・・

だけど・・・』






マリアの肩が次第に小さく震える。







『だけど・・・好きな人を…

自分の好きな人を
心から大好きだって思う気持ちを…

そんな気持ちまでもを
ふしだらな、だらしないこと…なんて

あんなの・・・っっ、ぅっ…

あんなの・・・ひどいよぉ…っ』






『・・・』



俺は耐えきれずに
マリアの肩を抱いた。






『っっ…初めて…こんな気持ちに
なったのに…っ

ゆぅちゃんとしか…
ゆぅちゃんとじゃなきゃ
こんな気持ちになれないのに

誰でもイイ…なんて…っ

淫乱・・・女…っ・・・って』




『マリア…もう、いいよ』



『うっ・・・っ…うっ』




『聞かなくて…いい話だ♪…』




・・・。





身勝手な事を言って
女に乱暴してくるようなヤツの

下らない言い分なんて
聞くに足らない…取るに足らない話だ。

聞かなくて良い話だ。



俺はマリアを抱えて
マリアの耳を塞いでみたり
頭を撫でたり


なんとか泣きじゃくるマリアを
なだめていた。




マリアの笑顔を…

なくしたくなかったのに。





マリアが一体

何をしたって言うんだよ。




マリアがこんな理不尽に
傷付けられ悲しまなければならない
そんな道理なんかない。



何も知らないその辺のヤツらが
マリアを傷付けて良い道理なんか
存在しない。



そうでなくてもマリアは
恐い思いをしたと言うのに

あんなイカれたクズ野郎に
マリアの心までをも傷付けられた



俺はその事実が
本当に許せなかったんだ。
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