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第16章 瞬間(とき)の・・・悪戯

よりによって

どうしてこういう事が起こるのか



率直な俺の脳内だ





もしも…万が一

病院に行くマリアが転んだり
事故にでも遇ったら

俺が下手に付き添ったりして
もしもどちらかの関係者に会ったら

もしもマリアが道端で
具合が悪くなったりしたら…



そんな数々の心配をしている・・・



だけど、そんな

もしも…や、万が一に

突出して




一体なにがどうなって

よりにもよりにもよって…

こういう事が起こるんだろうな？






運命のイタズラ・・・


最悪の偶然・・・偶然にして最悪






目の前の光景を見て


俺は今更に
マリアのメールの意味を理解した


ひらがなで、脱字してて
意味もくみ取れないような短いメール


慌てて…必死こいて打ったメール



〃「そこを動かないで」〃







マリア自身と
俺の危機を知らせるメールだったんだ。










なにやってるんだよ？！



走ったりしたらダメだマリア！！







それでもマリアが必死に
逃げまどう




その追手は




俺にはすぐわかった




嫌でもわかった




仮に顔が見えずとも
マリアの異様なまでの拒絶の仕方でもわかる







俺から少し遠目・・・





それでも確認できる





少し離れたとこから
一度だけ見たことがある






転んだマリアの腕を掴んで
止めているのは





マリアの・・・旦那




あの男だ