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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第16章 瞬間(とき)の・・・悪戯
『・・・・・・』


〃え・・・〃





ドアの前
マリアの目の前には見知らぬ女が立っていた。






『ぇ・・・あの・・・』


〃誰・・・?あれ…どこかで?〃








『シノミヤくんの同僚の

浅野 美羽 (アサノ ミユ)って言います』






『ぁぁ・・・あの、今出掛けてて…』


〃わかった、お店に来た子だ…〃






『あ…いいんです。本人より都合いいから』






『はぁ・・・』









『あなたよね・・・?』








『・・・?』









『シノミヤくんの・・・〃相手〃』






ド・・・クンっ…











『あの?・・・いえ私は…』








『姉?それとも妹?

……ウソついてもムダだよ

あたしマシロちゃんの顔知ってるから』








『・・・』









『あなたさ・・・どういうつもりなの?』








『どう・・・とは』









『どういうつもりでここにいるの?』









『私は・・・いとこなので…今日はたまたま』












『っっ……いい加減にしなさいよっ!!!』







バァンっ・・・





ミユがドアを思いきり叩いた






ゴク・・・っ



マリアの喉が鳴る








『会社で噂になってる・・・

シノくんが…年上の女と不倫してるって…

…若作り頑張ってんのか知らないけど

あんたのことでしょ?』








『・・・・・・ぇ』



〃ゆうちゃんの会社で・・・噂〃












『いー歳してさぁ・・・

みっともないことやめなよ〃オバサン〃!!

結婚して…旦那がいて、家庭ある人間がさ

独身の若い男つかまえて…不倫して

・・・まともな倫理観持った人間なら

そんなことしないよねぇっ?!』









『・・・・・・』











『あんたのせいで…シノくんはっ…』












『私は・・・いとこです』















『ふざけるなよぉっ・・・!!!』








ガッ・・・









『あっ・・・!』











ミユが癇癪(カンシャク)を起こして
マリアを玄関から引きずり出した。


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