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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第17章 翼を・・・ください
「病院ですよ~~!わかりますか~~!?」
搬送先は、マリアのかかってる
産婦人科のある病院だった。
『マリア・・・大丈夫だからなっ・・・』
喉がカラッカラに渇いた声で
なんとかマリアに声をかける
「こちらでお待ち下さい…!」
あっという間にマリアが運ばれて行き
俺とミユは通路の待ち合い椅子の前で
ポツリと立っていた。
どれくらい経ったのか
バタバタと足音がして
病院のスタッフ…看護師が
俺の元に走ってきた
「すみません、ご家族の方は!?
・・・ご主人ですか?!」
看護師が俺に聞く
『いえ・・・自分は』
「どなたか…ご家族に
ご連絡はとれませんか!?」
『それ・・・は』
忙しなく…騒がしく
なんとも緊張感が漂う
それは・・・どういう意味だよ
なぁ・・・?
『助かるん・・・ですよね?』
俺は正直…この辺りの
病院のスタッフの言ってることも
自分の言ってることも
殆んど覚えていない
聞こえるのは
後でガタガタ震えながら
すすり泣いてるミユの声・・・
『うっ…うっ…うっ・・・どうしよ
あたし…まさかそんな…こんなことに
なるなんて・・・あたしどうしたら
あたし…シノくんを守りたかった
シノくんを・・・あたし
なのに…』
『・・・』
『お腹の赤ちゃん…もしも…
したら、あたし・・・』
『やめろ・・・』
『…っ』
『人の・・・命が
人〃ふたり〃の命が…かかってんだ
今…そんな話…やめろ・・・』
マリアは今・・・必死に闘ってるハズだ
命懸けで、必死に
守ってるんだ・・・
たとえ・・・意識をなくしても
自分の命より大切なものを
命懸けで・・・
マリアは必死に
守ろうとしてるんだ・・・
搬送先は、マリアのかかってる
産婦人科のある病院だった。
『マリア・・・大丈夫だからなっ・・・』
喉がカラッカラに渇いた声で
なんとかマリアに声をかける
「こちらでお待ち下さい…!」
あっという間にマリアが運ばれて行き
俺とミユは通路の待ち合い椅子の前で
ポツリと立っていた。
どれくらい経ったのか
バタバタと足音がして
病院のスタッフ…看護師が
俺の元に走ってきた
「すみません、ご家族の方は!?
・・・ご主人ですか?!」
看護師が俺に聞く
『いえ・・・自分は』
「どなたか…ご家族に
ご連絡はとれませんか!?」
『それ・・・は』
忙しなく…騒がしく
なんとも緊張感が漂う
それは・・・どういう意味だよ
なぁ・・・?
『助かるん・・・ですよね?』
俺は正直…この辺りの
病院のスタッフの言ってることも
自分の言ってることも
殆んど覚えていない
聞こえるのは
後でガタガタ震えながら
すすり泣いてるミユの声・・・
『うっ…うっ…うっ・・・どうしよ
あたし…まさかそんな…こんなことに
なるなんて・・・あたしどうしたら
あたし…シノくんを守りたかった
シノくんを・・・あたし
なのに…』
『・・・』
『お腹の赤ちゃん…もしも…
したら、あたし・・・』
『やめろ・・・』
『…っ』
『人の・・・命が
人〃ふたり〃の命が…かかってんだ
今…そんな話…やめろ・・・』
マリアは今・・・必死に闘ってるハズだ
命懸けで、必死に
守ってるんだ・・・
たとえ・・・意識をなくしても
自分の命より大切なものを
命懸けで・・・
マリアは必死に
守ろうとしてるんだ・・・